2023/5/29

8時から会議。7時57分に布団から出る。喋りはじめれば目は覚める。知らない間に雨が降り始めていた。寒い、5月ってこんなものだったろうか。電気代のことを心配しないですむのはありがたいけれど。

連れのおねえさんからもらったタイ土産のトムヤムクンヌードルを昼に食べた。おいしいことに違いはないが、とにかく辛い。一口ごとに牛乳を飲んで、痛覚をなだめながらどうにか完食した。量としてはすこし物足りないけれど、たぶんこれ以上食べていたら胃の方がどうにかなっていた。

最近、聴きたい音楽が全然ない。自分が何を聴きたいのかわからない。でも無音はあまり得意ではないので、何かがほしくて、Apple MusicのハイウェイラジオのChilldspotの回を聴いていた。新しい音楽に触れることがめっきりなくなってきた私にしては珍しく、去年ラジオで耳にしてから、わりとよく聴いているバンドだ。「死ぬまでに一度はやってみたいこと」と問われて、ボーカルギターの比喩根さんはスカイダイビングと答えていた。「空から飛び降りたら1曲書けるんじゃないかな」と楽しそうに笑っていたのが、なんだかすごく耳に残った。

仕事は残っていたけれど、21時前に連れが帰宅してきたのでほっぽりだして夕飯を作った。ほんとうに消耗したときは作る気分にもならないけれど、そうでもなければ気分転換の方法として料理はかなり良い。このところ書き物が低迷しているだけに、創作意欲を料理で満たしているところもあるのかもしれないとふと思った。パセリソースの鶏のソテー、ラタトゥイユ、新玉ねぎとベーコンの炊き込みご飯。鶏肉は余っていた白ワインを使って蒸らしたらかなりいい感じになった。しかもフライパンに残った油と煮詰まったワインに刻んだパセリと醤油とみりんとマスタードを混ぜてソースを作ったら、これがもうめちゃくちゃに美味くて最高。食べることはもともと好きだけど、ひとりだとここまで手間をかけようとは思わないので、作っているのが私とはいえ、連れのおかげで美味しいごはんにありつけているようなものだ。

夜は連れがホラー映画を観たいというので、しぶしぶ付き合った。『キャビン』という、大学生4人が田舎の別荘に旅行に行くが、実は彼らはある組織に行動を監視されていて……という話で、メタホラーとよばれるジャンルらしい。はじめこそびくびくして半分顔をそむけながら観ていたが、途中からだんだんおもしろくなってきた。恐怖を感じとる部分というのは、笑いの琴線に近いところにあるのかもしれない。クライマックスはやりたい放題!という感じで、一面血みどろで、だいぶ楽しんでいたと思う。自分は怖いものが苦手なんだと思っていたけど、予測できないびっくりが苦手なだけで、痛いのとグロいのは全然大丈夫みたいだ。連れはわりとホラーが好きなので、一緒に楽しめるものが増えるのは、まあいいかも。ホラーへの道を一歩踏み出したかなと言ったら半歩くらいだねと訂正された。

同居の準備を進めようと、管理会社に契約変更の問い合わせをしたりしている。今の私の家に連れが越してくる形になるので、新入居者の情報をいろいろ伝えなくてはいけないのだが、性別や契約者との関係を問われることに釈然としない気持ちが残る。交際相手の契約上の続柄をなんと記載すべきか調べたら、「同居人」か「婚約者」が一般的で、後者の場合は実際に婚約していなくともかまわないらしい。感覚的に婚約者を名乗っておいたほうがなんとなく心象は良いのだろうと察してはいるものの、婚姻制度に否定的な立場でいながらそういうところにのっかるのは癪だったので、同居人(交際相手)と書くことにした。別に家賃はこれまでも私ひとりで払ってきてるんだからNGが出るということもないと思うのだけど。性別に関してはほんとうに書く必要性がよくわからない。賃貸契約で大事なのって家をめちゃくちゃにしないことと家賃を滞納しないことくらいじゃん。家の契約に何の関係が?同居程度でこんなにひっかかってるんだから自分には婚姻はむりだろうなと思う。すべてのことにムカついてしまうのが目に見えている。何よりも戸籍制度が一刻もはやく廃止されてほしいけど。