2024/4/7

正午、友人と落ち合う。快晴、汗ばむほどの陽気で、せっかく出番だと思って着てきたトレンチコートはけっきょく早々に脱いでしまった。舞浜駅は、テーマパークに向かう浮かれた顔つきの人ばかりでのどかだ。私たちはそこには加わらずに舞浜アンフィシアターへ。劇団四季『美女と野獣』を観た。『強いぞ、ガストン』は見応えがあって楽しかったし、ベルのドレスはため息が出るくらい美しかったし、達郎さんのビーストは愛嬌があってコミカルで愛しかったけど、全体としてはちょっと乗り切れなかったというか、冷めた目で見てしまったような気がする。でも、物語の創り手が人間でなくなっても、ライヴ性とか、肉体を要する表現はこの先もなくならないだろうなあ、と思いながら観ていた。ベルの黄色いドレスを着ている子がたくさんいて愛しかった。

終演後は一駅移動して、コンビニで缶ビールを買って、葛西臨海公園で花見をした。まわりがレジャーシートを引いて楽しんでいるなか、無計画な私たちは大学の頃と同じように地面に直接寝転んでいた。満開にはあと一歩というところだったけれど、寝転んで見上げると、青空を背景にした桜の枝が視界いっぱいに広がって気持ちが良かった。

気づけば友人との付き合いは15年目を数える。アイドルこそ彼女に教えてもらったが、それ以外に重なるものは多くなく、仲良くしているのがずっと不思議だった。相手も私のことを一番仲の良い相手だとは思っていないはずだが、なかなかどうして、疎遠になって立ち消えることもなく、ほそぼそと関係が続いている。ただ、今日話していてふと思ったのは、良くも悪くも現実的で皮肉屋で、現状に漠然とした不満はありつつも、何かと言い訳をつけて行動を起こせずにいる後ろ向きなところが案外そっくりなのかもしれないということだった。もっとも彼女のほうがよほど活動的で意志の強い人なので、私と並べるのは申し訳ないような気もするのだが、ことに自分に対する諦念を、お互いに咎めることなく受容できるような気がするのが居心地がいいのかもしれない。

メキシコのガイドブックを買いに本屋に寄ったついでに、ほかにも10冊ほど買った。読みたかったからというよりは義務感に駆られて買ってしまったものもあって、まあまあな金額をつかったわりにちょっと満足感が薄い。必要だと思うからゆっくり読むけども。

夜は連れの発案で部屋の電気は点けず、モロッコランプの光だけで過ごしていた。にんにくとトマトを擦って塩を振ったバゲットと、以前私が親友とのキャンプで余らせて持って帰ってきたマシュマロをコンロの火で炙って作ったスモアを食べる。室内キャンプである。夕食もそのあとなにか作るつもりだったのだが、案外それで満腹になってしまった。

夜11時頃、友人たちとメキシコの旅程相談で1時間ほど通話。何もかも任せきりにしてしまっているのだが、ようやくガイドブックを手に入れたので、ようやくすこしは貢献できるはずだ。気づけば今月の話になっていてびっくりする。