2022-01-01から1年間の記事一覧

陽のあたる道で(今年のふりかえりと新年に向けて)

またひとつ、年が明ける。私は年末年始が好き。それは一年に終わりがあって、いくら今年がだめだったり、苦しかったりしても、新しい一年を誰もが迎えることができることが希望だと思うから。暦というのは、自分の連続性というままならなさから目をそらす装…

記録:2022-Dec

やっつけ12月記録。年が終わる。 本 マキノノゾミ『東京原子核クラブ』 久保田さんが出演していた舞台のDVDが届いたので、その予習のために読んだ。やっぱり好きな戯曲。 町田明広『攘夷の幕末史』 尊王攘夷VS公武合体という従来唱えられてきた対比は適切で…

記録:2022-Nov

何ひとつ追いついていない!!!十一月は何をしてたのだか記憶が薄い。人によく会って消耗していたからか、本やアニメのたぐいはほとんど読め/観られていない。 本 カレル・チャペック『山椒魚戦争』 友人に貸してもらったシリーズ、四冊目。みずからが促進…

二十代の修学旅行

午前四時に起きる。辺りはまだ真っ暗だ。タクシーを呼んで、数駅先の始発駅まで向かう。空港に着いた頃、見事な朝焼けに迎えられた。燃えるようなというよりは、早生の蜜柑のような黄色っぽい橙の空だった。搭乗を待つ人たちは皆同じように空にカメラを向け…

師走記

とうに年も明けてしまったけれど、記録ごとをすませないと気持ちのうえで新年を迎えられないので、年末に書いたことにして残しておく。盛りだくさんの年末、詰め込みすぎたけどぜんぶ楽しかった。 12/22 出勤。若手社員たちと座談会からの忘年会。自分が後輩…

劇団四季『ノートルダムの鐘』鑑賞後記②

夏の横浜公演に続き、4回目の鑑賞。チケットを知人がとってくれて、京都公演の初日に行ってきた。弾丸の日帰り遠征だったうえに、東海道新幹線の遅延に見舞われて体力的にはかなりきついのだが、どうしても風化してしまう前に残しておきたくて、睡眠不足を覚…

シコウの計算式

自分の声が聞こえなくなっている。そう気が付いてぞっとした。何を思って、何を感じて、どう生きたいのかが、さっぱりわからない。つい先日まで欲が多いとはしゃいでいたはずなのに、やりたいことをやることに夢中になっているうちに、やりたいことがやらな…

ミュージカル『憂国のモリアーティ』Op.1 感想

ミュージカル『憂国のモリアーティ』 Op.1 を観たので、今日も今日とて好きな人のことを書く。 来年の2月にシリーズ4作目となるOp.4の上演が決まっていて、その上演決定を記念して過去作が期間限定で配信されることになった。今日がその配信初日で、つい半月…

記録:2022-Oct

仕事は忙しくないけど生活が忙しい。感想が全然書けていないけど、そうこうするうちに11月も終わるのでまたまた10月のまとめを今さら。 本 マイケル・サンデル『これからの正義の話をしよう』 ここ数ヶ月哲学の入門書を読み漁っていたおかげで刻み込まれた知…

まことの片鱗

ものすごく忙しいわけではないのだが、プロジェクトの責任がまるごと自分の肩に載っているという立場がずっと重くて、それが魚の小骨のようにつっかかっている。なんとなく不安でPCの前に座り続けてしまって、そのくせ大して有意義な時間の使い方をできてい…

欲望まみれ

考えなくちゃいけないことも、考えたいこともたくさんあって、頭のなかがわ~っとなってきているので、ひとまず放電。本も読みたいし、手紙も書きたいし、家事もやりたいし、ゲームもやりたいし、アニメも観たいし、文章も書きたいし、将来のことも考えたい…

NIGHTMARE I'm with you Tour@CLUB CITTA' 感想

ナイトメアのツアーがはじまった。最後列だったし、そこまではしゃいだつもりはなかったのだが、名残でしっかりと首が痛い。セットリストも懐かしい曲が多くてすごく嬉しかった。楽しかった!という気持ちでライブハウスの外に出た。 YOMIくんがRUKAさんに「…

HAKU-MYU LIVE3 感想

友人に誘われて、ミュージカル『薄桜鬼』 HAKU-MYU LIVE3 に行ってきた。その友人は「自分の才能があるとしたら誰かを好きになることだ」と言うのだけど、私もそういうところがあるし、だから仲良くやっているのだろう。何も知らないで行ったのに、しっかり…

試着室にて

午前五時までInstagramでリール動画を見ているうちに寝落ちてしまったせいで、起きた時には午前十一時になっていた。掃除と洗濯をして、ボランティアへ行った。 // 中学生に数学を教える。どうせこんなの勉強したって使わないのに、と言われて、答えに窮して…

而立の暁

私は、自分に翻弄されてきた。世界でも他者でもなく、自分をもっとも苦しめるのも、喜ばせるのも自分だった。だから自分について書き続けてきたし、書けば書くほど、自分を言葉で定義しようとすればするほど、自分というものが掴みどころのないものに思えて…

記録:2022-Sep

もう11月だというのに、9月の記録を書いている。 本 アチェベ『崩れゆく絆』 友人に借りた。ものっすごく良かった。ぐるぐるしていてまだ言葉にならないけど、自分の中でずっとある「先進的」な価値観の信仰の欺瞞性に対する違和感が強化された作品だった。…

仕事の慣性

昨夜、十時をまわってから上司に会議資料のレビューをしてもらった。私が率いることになった新しいプロジェクトの初回となる会議だ。ベテランの同僚たちにたくさん意見をもらったり、部分的に資料作成をしてもらったりはしているが、作業計画を立てたのも、…

月光に裂かれたい

げっそりとしている。しばらくぶりに、目がまわるほど忙しい時期だ。マルチタスクがてんで苦手なこの私が、大小あわせて七つほどの仕事を並行して進めている。タスクがさばききれていなくて首はしまっているが、この状況で、しかも冬だというのに調子を崩さ…

疾走ワーズ

昨日かっちりめの文章たくさん書いたら反動でみぞみぞしてきたから最近よかった映像たちについてツイッターの人格で書いとく 句読点ない youtu.be 100万回再生おめでと~~~っ!100万回のうちの50回くらいは私です うちに遊びに来た友だちが曲いいよ!って…

欲望との対峙

服を数十着、靴も何足か処分した。もうすこし身軽な気分になるかと思ったのに、残された服を眺めてみても、もう着ないものがまだあるように思えて、残尿感のような感覚が消えない。自分にとって必要なのかそうでないかを、自分が決められないことに対する居…

諸諦念について

祖母が意識を失って救急搬送されたという連絡を母から受けてから、しばらく仕事が手につかずにいた。結果的には何事もなかったのだが、もし祖母に何かあったときに自分がどういう感情になるのか、まったく想像がつかなくて、悲しむだろうととっさに言い切れ…

一緒に怒る人

憂鬱が底を打ったようだと数日前に思ったはずだったのだが、気のせいだったのかもしれない。気持ちのいい青空とうらはらに、ぜんぜんだめな日だった。午前中はほとんど寝て過ごした。 午後九時に仕事を終え、何をするにも億劫な気持ちを持て余したまま料理を…

出会うべき時

憂鬱は底を打ったらしく、この日はひさしぶりに早く起きた。仕事をはじめるまでに日曜にやり残した家事を片付けて、紅茶を淹れて本を読む余裕すらあった。昼には豆を挽いてコーヒーを淹れたし、気分の低迷と続く長雨のせいでろくにできていなかった買い出し…

不死への努力

ぜんぶどうでもいい、という無気力にあらがえなくなってからどれくらい経つのか、だんだんわからなくなりつつある。急な冷え込みにくわえて、曇天と雨天が続いているのもたぶんよくない。冬はほとんど毎年のように季節性の憂鬱に苦しめられるが、今年も例外…

靴を見上げる

高校のころの部活の先輩がやっているバンドが新曲を出したとインスタグラムで告知していて、何の気なしに聴いてみたらこれがすごくよくて、思わずメッセージを送った。明るいシューゲイザー。明るいシューゲイザーってなんかちょっとこう、「陽気な陰鬱」み…

新鮮な読み物

頭がずっと重いような気がするのは、気圧のせいだろうか。後遺症でないとよいのだが。 // タイミングがなくて読めていなかった雑誌『スピン』の創刊号を読んだ。「新鮮な小説」という言葉が浮かんだ。どこがそう感じさせるのかわからないが、とれたての文章…

冷凍二十一歳

長く降り続いた雨はようやく止んで、ひさしぶりに雲の切れ間を見た。このところ世界がやけに静かに感じるのはツイッターから離れているせいだと思っていたが、雨と寒さで街に人がいなかったからというのもあるのかもしれない。掃除のために窓を開けたら、冷…

味のする感情

数日ぶりに外に出た。といっても症状がある以上出歩くわけにもいかないので、ベランダである。俺たちの天下に文句はあるか?と言わんばかりに鋭い冬の空気が首元を取り囲んできた。数日前に布団を出し、昨日は冬用のインナーと裏起毛のスウェットを解禁し、…

窓の膨張

なんとか逃げ切ったつもりでいたのに、ここに来てとうとう感染したらしい。一時40℃近くまで上がった熱はあっさりと引いた。今はただひたすら喉が痛くて、唾を飲みくだすことすらつらい。連れが差し入れてくれたトローチをむさぼっている。 高校の終わり頃に…

蜘蛛の巣は風になびく

覚醒しきらないままカーテンを開けたら濃い青が目に飛び込んできた。しばらく聴いていなかった、好きな声優の曲がふと聴きたくなって、流しながら意識を引き上げているうちに、そういえば好きになってちょうど一年ほどだということに気づく。彼の音楽が秋と…