2021-01-01から1年間の記事一覧

記録:2021-4Q

毎月書くのはしんどいからと四半期ごとにまとめることにしたのだったが、自分でも予想だにしないペースでいろいろ楽しめてしまって、これならやっぱり頻度を上げて小出しにしたほうがいいかもしれない。10月から12月の記録。 ■書籍 □岡田淳『こそあどの森の…

陽ざしの中へ(今年のふりかえりと新年に向けて)

年の瀬の空気が濃い。ふといい年だったなあ、と思ったので、年の瀬らしく今年をふりかえってみる。記事の題は、今年もっとも聴いたアルバムのひとつである、ミュージカル『ノートルダムの鐘』のいちばん好きな曲から。閉ざされた塔から明るい陽ざしの中へ、…

2021/12/20

仕事が嫌いだ。嫌いというよりも、ゆるせないというほうが正確である。自分の倫理にもとるような場所に身を置く自分に我慢ならなくなったときが辞めるときなのだろうと思ってきた。そしてたぶん、それは思っていたよりもそう遠くない未来なのだろう、という…

2021/12/9

もう気取った文章とか書けないし推敲する元気もないのでつぶやきよろしく浮かんだままに書きなぐる。全然こんな文章を書いている場合じゃないんだけどキャッシュ消去みたいな感じに近い。質の良い睡眠がろくにとれていないので再起動ができていない。これは…

日常茶飯:11月

私が言葉にこだわるのは、言葉は個人からしか生み出せないものだから、というところにあるのかもしれない。そう思い至ったきっかけは、インターネットで見かけた、言葉が無力化されていくことに対する危機感に言及する声である。あまりふだん好んでやらない…

悪夢を見ていたいんだ(はてなブログ10周年特別お題「好きな◯◯10選」)

はてなブログ10周年特別お題で「好きな◯◯10選」というのがあったので書いてみる。しぼりきれなくて11選になってしまったけれど、愛するものについて書くのは楽しい。 ナイトメア、というバンドを好きになったのは十四かそこらのことだ。当時交際していた年上…

2021/11/15

日付はとうに変わって午前一時。眠いし、明日は仕事だ。しかも朝から会議である。睡眠をえらぶことが理にかなっている状況だというのはわかるけれど、今からだの奥で渦巻いて、呼吸を妨げている重苦しい感覚は、睡眠では消すことができないのを、私は知って…

脱・ぎゅうづめ

先日読んでいた谷川俊太郎の『ひとり暮らし』というエッセイ集に、「ゆとりとはまず何よりも空間のことである」という一文があった。 ラッシュアワーの満員電車のように、心がぎゅうづめになっていてはゆとりはもてないだろう。心にぎゅうづめになっているも…

2021/10/24

午前九時に起きる。休日の起床時間としてはかなり上出来なほう。洗濯物をたたんで、皿を洗って、好きな声優のラジオに送るおたよりの文章に悩んだりしているうちに時間が過ぎて、両親との約束に遅れそうで慌てて家を出た。ラジオにおたよりを送るのは生まれ…

2021/10/18

午前七時、アラームで目を覚ます。このところ毎朝床に落ちていた布団が、今朝はしっかりとからだに巻き付いていた。カーテンを開けようとのばした腕が布団の外側に触れて、しんと冷えた布の感触に意識がひっぱりあげられた。ひっこめた腕が今度はあたたかな…

違和感の輪郭

自分がただのいれものにすぎないのでは、という恐怖にさいなまれて長い。否、いれものにすぎないのだろう、誰しも。それは必ずしも忌むべきことでもおそれるべきことでもない。すこしまえに流行った「神様が〇〇をつくるとき」というネットミームのように、…

答え合わせ

ヒプノシスマイクにからめとられた。Netflixが今月末に配信終了だよ!というので、安易な気持ちでアニメに手を出したのが九月上旬のこと。私の主戦場まほやくの推しであるオーエンの声を務める浅沼晋太郎と、好きな声の斉藤壮馬が出ているというところに興味…

記録:2021-3Q

■書籍 尹 雄大『さよなら、男社会』 平田オリザ『演劇入門』 桜木紫乃『風葬』 岡田淳『こそあどの森の物語』シリーズ 『ふしぎな木の実の料理法』 『まよなかの魔女の秘密』 『森のなかの海賊船』 『ユメミザクラの木の下で』 『ミュージカルスパイス』 ■漫…

2021/9/30

事業所からしかアクセスできないシステムからデータを抽出しなくてはならず、出勤をしていた。それはべつに良いのだが、データ抽出に十二時間もかかったせいで、終電を逃してタクシーで帰宅する羽目になった。まあでも、それもまだ良い。最悪だったのは、そ…

2021/9/29

八時半に起きる。悠長にコーヒーを淹れていたら会議のはじまる時間になってしまってすこし慌てた。 今日は会議があまりない日のはずだったのに、気がついたらどんどん予定が入って、やりたいことはあまりできなかった。わりあい余裕があると思っていろいろ引…

2021/9/28

引越し前、あんなに眠るのが億劫だったのが嘘のように、健全に眠くなって、健全に七時間眠って、健全に午前八時に起きた。 午前は会議。出来は悪くなかった、と思う。昼過ぎ、旧居の引き渡し。これでほんとうにさよならだ。感慨は思ったよりなかった。どうせ…

2021/9/1

生きていることにまったく色彩を感じなくなってしばらく経つ。こと、好きな俳優の出演する演目の公演期間が終わってからはひどい。気持ちが不気味なほど凪いだままで、何も味がしない。ぜんぶ終わりにしたいけれど、死にたいのとはちょっと違う。機械みたい…

心の声で呼びかけるんや

好きな俳優に手紙を書いたのに、感染症対策のため手紙の郵送はお控えいただいております、だってさ。俳優の健康を守るための方針に文句を言いたいわけでは全然ないどころか、公式がそういう姿勢でいてくれるのはありがたいことだけれど、手紙くらい送らせて…

2021/8/25

助けてほしい。このところ、この言葉が胸のあたりで明滅を続けている。誰から?何から? 日曜に書いていた日記が消えた。文章を書くことは、私の一部を外部記憶装置に切り出しておくことに等しいから、それが消えるというのはそのまま自分の存在が欠ける感覚…

2021/8/18

終日有給休暇のはずだったのに、うっかり午後休と言い間違えたせいで午前中は会議に出る羽目になった。休暇なので、話半分に聞きながらマニキュアを塗っていた。 午後、自由劇場。五月からずっと楽しみにしていた『はじまりの樹の神話』を観る。半年前、初め…

2021/8/15

朝方、警報音で起こされる。二度寝して、布団を出たのは午前十時。低気圧のせいか頭は冴えないけれど、よく眠ったからか体は軽い。コーヒーを淹れて、古いビッグイシューをめくりながら朝食(というよりはブランチか)をめずらしくちゃんと食べる。海老とア…

怒りについて

怒りは熱いうちに形にしておかなくてはいけない。もっとも、これが怒りなのか悲しさなのか悔しさなのかは判然としない。私が知っているのは、感情というのは理性に劣るものでも、軽んじるべきものでもないということだ。私がそういう紅々とした炎を今内側に…

7月25日(日)不完全な外側

四連休が終わりゆく。木曜と昨日遊びたおした帳尻を合わせるかのように、金曜と今日はじっとしていた。じっとしているうちに時間がすぎていって、居心地の悪い焦燥感がある。たまにインターネットで「暇だから質問こたえます」という不思議ないとなみをやっ…

7月22日(木)暮れなずむ海

元恋人と出かけるのは楽しい。楽しいのだが、出かけているときの空気が好きなので、それをあとから書き留めておこうとすると、かならずとりこぼしてしまう。交際していたころからずっとそうで、どんな言葉をあてはめても正解に思えない。私が今まで生きてき…

7月20日(火)隔たる夏

家にひとりでいるのが好きだ。だいたいは窓を開けておく。窓側は細い道に面していて、そこをとおる人たちの足音や話し声なんかは、地面からすこし離れていてもけっこうよく聞こえる。家の中からそれを聞いているのが好き。人とかかわるのはあまり積極的に望…

7月19日(月)自由を読む

もっと肩肘を張らずに文章を書くことと向き合ってみても良いのではないか、と思う。こう考えるのは初めてのことではないけれど、仕事中、なんとなく詩集を読みながらそう思った。たいそうなものを書こうとしてしまうばかりに何も書けなくなるのが自分の悪癖…

7月7日(水)

昨年の八月から準備してきた仕事の、ひとつの区切りを先月上旬に迎えた。その後始末で名古屋と東京を行き来する日々が続いたけれど、それもようやく月曜日に終わった。ひと月前にはまだわずかに顔をのぞかせる程度だった稲の苗が、先週はすっかり水面を覆っ…

記録:2021-2Q (2)

さすがに触れたものすべてについて感じたことや考えたことを記録しておくのは無理だと悟り、純粋な記録の試みへと早々に方向転換した。つぶやいていたのをそのまま貼っただけの感想がほとんど。五月、六月の記録。 ■書籍 長野まゆみ『メルカトル』 好井裕明…

5月9日(日)西へゆかん

働きつづけるかぎり、この呼吸を重くさまたげる重石から自由になるときは来ないのだろうか。山場まであとひと月を切って、今が追い込みの時期だからことさらに忙しいというのはある。いつもいつもこんなふうではない。石はその時々によって大きくなったり小…

5月6日(木)夏の花の香

連休が終わった。もっと気持ちが腐るかなと思っていたけれど、会議詰めなうえにクライアントからばんばん電話かかってくるわ、メールもチャットも溜まってるわで腐っているような余裕もあんまりなかった。連休明け初日にしては、まあ、頑張ったんじゃないで…