2023/5/14

早番を終えた連れと植物園の最寄り駅で落ち合う。バラが見ごろなので見に行きたいという私のわがままに付き合ってもらって、3時間ほど園内を散策した。天気は冴えなかったが、曇天に深緑やバラの色彩が鮮やかに映えてかえってよかった。

きれいに咲いているバラのアーチの前で写真を撮ろうとしていたら、撮りましょうか?と気さくに話しかけてくれた人がいて、好意に甘えて撮ってもらうことにした。私のスマートフォンを渡してカメラを向けられた瞬間、スマホケースに入っていた好きな俳優の写真がまっすぐこちらを見ているのが目に入って、連れとふたりして吹き出してしまった。付き合いは8年近くになるが、一緒に写っている写真は数えるほどしかない。2月の友人の結婚式で、ふたりの積み上げてきた時間が写真として残っていることに羨ましさをおぼえて以来、撮る機会を増やそうと目論んでいる。連れは写真に写るのが嫌いな人だが、私が撮ろうと言ったのは嬉しかったらしい。

近所の蕎麦屋で遅めの昼食をとり、分園のほうもぐるりとまわった。端境期で花は少なかったが、勢いの良い緑に元気をもらった。広場まで足を伸ばしたら、誰かが残していった白詰草の花冠がベンチに残っていた。

たっぷり歩いて心地よい疲労感に浸りつつ、16時すぎに帰宅。映画を見るでもなくのんびり会話していたが、その流れでちょっとした諍いに発展した。どちらに非があるわけでもない、うまく歯車が噛み合わなかったという不運なすれ違いだが、連れはすっかりふさいでしまって、しばらくひとりにしてくれとまで言われてしまった。交際を再開してからこういう経験がなく、そもそも他者とぶつかることを避け続けてきた身にはどうしたものかわからなくて気が重かったけれど、連れは数時間ふさぎ込んだ後、夕飯の頃には立て直して、ふだんどおりの態度に戻っていた。夜になってあらためて会話して落着して、これならやっていけるかも、と思った日だった。

ブロッコリーと豚肉と人参の中華風炒め、千切りにしたキャベツを湯がいてごま油で和えたもの。