2023/5/21

友人と入管法改悪反対デモに行く約束をしていたが、思いのほか高い気温に熱中症になりかねないと判断して、夕方の集会だけ参加した。渋谷駅前には多くの人が集まっていたし、デモには7000人が参加したと聞いた。友人とふたり、人混みにまぎれていろいろな登壇者のスピーチを1時間半ほど聴いていた。インターネットを漂いながら、ともすればもう何をしたって無駄なんじゃないかという諦念に蝕まれていくような日々にあって、志を同じくする人々がほんとうに現実に存在するのだ肌に感じられて嬉しかったし、けっして自分はひとりではないのだと奮い立つような気持ちになった。デモなんてして何になるんだと冷笑する風潮はある。でも、社会に影響をおよぼすことはもちろん、私は参加者にこうして奮い立つような気持ちをもたらす効果にもデモの意義を見出す。自分が社会においてひとりではないという感覚を醸成すること、ひいては諦めずに行動に移そうと思い続けられることこそ、民主主義の基礎だと思うからだ。どのスピーチも力強く、希望に溢れていた。なかでも、最近インターネットで勢いを増すトランス女性の排斥の動きに言及して、フェミニズムがマイノリティの迫害の道具として扱われつつあることを恐れていると話していたアジア女性資料センターの本山さんのスピーチはすごく響いたし、あらためて自分の信じるフェミニズムを忘れまいと決意をあらたにした。私の信じるフェミニズムは、誰かの排除のうえに成り立つものではない。そんなものは、フェミニズムではない。そういうふうに感じたことを、すぐ隣にいた大事な友人と共有できたことも嬉しかった。

日が暮れて気温が落ちてきた頃に集会を離脱して、新宿の映画館で『THE FIRST SLAM DUNK』を観た。これが3試合目。初めてDolby Cinemaを体験したけど、音圧でびりびりと肌が震えるのがあまりに気持ちよくて、終始恍惚としていた。友人が私に良い席で観てほしかったのだと嬉しそうにしていたのも染みた。

熱も冷めやらぬまま、シーシャ屋に移動して、キャラクターのイメージにあわせてフレーバーを調合してもらった。友人はレモンとチェリー、私はジャスミンと柚子。どちらもよく合っていて大はしゃぎした。応対してくれた店員さんがまさに連載時の世代で、三井に影響されてバスケ部に入り、膝の故障でやめたのだというから驚いた。しかもそれぞれ流川と木暮のイラストまで描いてプレゼントしてくれた。今も大事に机のモニターの横に貼ってある。

あっという間に終電の時間になって、帰りたくない!と言いながら友人と次に会う約束を取り付けた。最高の日曜日。