2023/10/7

正午過ぎまで寝て、ボランティアへ行った。会場になっている公民館の前には、ハゼランがたくさん咲いていて嬉しくなった。赤や橙の蕾が線香花火のようで美しく、指折りに好きな野草のひとつだ。久しく野草を愛でていないなあ、と思いながら写真を撮った。花火草なんて瀟洒な名前もあるようだが、爆蘭というやんちゃな感じの名前が好き。蕾がぽんっと爆ぜてあのピンク色のかわいい花を咲かせるのだと思うと愛おしい。ボランティアを終える頃には、影がずいぶん長く伸びていた。日が短くなっている。駅まで帰る道すがら、なんとはなしに空を見上げたら、それは見事な鱗雲が広がっていた。嬉しくなって写真を撮って連れに送った。秋だ。

友人との待ち合わせの前に本屋に寄って、漫画の新刊を買い込んだ。友人とは、繁華街から一本路地に入ったところにある、タイを中心とした東南アジアの料理屋に行った。道に面したところには壁がなく、路上にまで簡素な椅子とテーブルが敷き詰められていて、隣の席との間隔も肘が当たりそうなほど近かった。話し声が路上に溶けて雑然とした雰囲気が漂っている。現地にありそうな屋台っぽい感じに気分が上向く。人気店らしく、私たちが最後の空席を手に入れたあとは、路上に長く列が伸びていたが、なるほど味はすごく良かった。そして安い。屋外で飲むにはやや肌寒いくらいだったが、気持ちよかった。すごく気に入ったのでまた来てみたい。高級ブランドの路面店が立ち並ぶ大通りを通ってこないといけないことだけがネックなのだが。洒落た人々のあふれる街を歩くとき、気後れしてしまって、自分だけが場違いで惨めに思えてしまう。こういう劣等感っていつになったらなくなるのだろう。

帰宅したあとは、このところずっと楽しみにしていたヒプアニを連れと一緒に観た。違法マイクをダイナマイトみたいに巻きつけるテロリストも健在(?)だったし、あいかわらず意味不明で(褒めている)、あまりにも求めていた麻薬そのもので、文字通り手を叩いてはしゃいでしまった。よくわからないのにおもしろくてかっこいいのってすごい。はちゃめちゃの原液を脳に流し込まれる感じが余計なことを忘れさせてくれて好きなのかも。「やっぱ韻踏まねえとだめか……」を思い出してはくつくつと笑いが込み上げてくる。EDの映像がすごくかわいかったのも良かった。