2024/1/10

昼 一昨日の残りの白菜とベーコンのスープに米を入れたスープご飯
夜 ミルフィーユ鍋の残り、菜の花と生ハムの餅ピザ

 今日も上がりの早い連れに合わせて私も早々に切り上げる。どっちみちやることはそう多くない。夕飯も昨日の残りがあるから気楽なものだ。ただそれだけでは足りなかったので、月曜日に作って失敗した餅ピザに再挑戦した。薄く刻んだ切り餅をフライパンに敷き詰めて焼くと、ピザ生地みたいになるのだ。今回はすごくうまくできた。塩胡椒で炒めて火を通した菜の花を生地に載せ、その上からチーズを散らして焼く。連れはフライパンを返すのがうまくて、チーズごとくるりとひっくり返していたのは鮮やかな手付きだった。ワインのつまみ用に買ってあった生ハムを最後に乗せたら、けっこう本格的になった。リベンジ大成功。味も上々だった。
 食後は『マイ・エレメント』を観た。映画館で何度か予告を観ていたものの、ヘテロの恋愛物語にあまり興味のない私はそのときにはさして心を惹かれなかったのだが、これが、もう、とんでもなく良かった。人間が世界に存在してもいい理由があるとしたら「善く生きようとすることができること」、「美しいものを生み出せること」のふたつきりないと本気で思っているけど、この映画はその意味において、人間が存在していていいと思える理由たりうるものだった。私は日本において民族的マジョリティで、火のエレメントたちが味わってきたものを推し量ることはできないから、物語の内容について語る言葉はそう多くないのだけれど(でもこういう作品は、マイノリティの監督が作っていることもふくめてきっと多くの人のエンパワメントになるだろうと想像する)、何よりも、あの世界観を作り上げることのできる人間の想像力のしなやかさを存分に見せられて、人間がこういうものを生み出せる生き物であるということが、もうほんとうにたまらなく嬉しかった。観終えてから涙が止まらなくなってしまった。けちをつけるならヘテロロマンティックイデオロギーの全開っぷりに鼻白んでしまうところがないではないけど、ほんとうにほんとうにすっごく好きな作品だった。