9月25日(水)確定したくない

何やってるんだろう、と思いながらラッシュとは無縁のくだり方面行き電車。自分に、他者に、まるごと世界に幻滅したような気分だった。調子のいい軽い言葉に乗っかったのはほかでもない私で、そんなものにさえ光を見出そうとしてしまったことが悲しかった。考えなしの期待は当然のように泡と散って、好きでもない男と肌を重ねたところで恋人に会いたくなっただけだった。何も知らない恋人は、私が真夜中に会いたいと投げつけた呟きに無邪気に喜んでいた。知ったら怒るんだろうか。試すようなことをして、相手が離れてくれることを望んでいる。4年前からこれっぽっちも前に進めていなくて笑える。

無気力に引きずられて、昼過ぎに出社してからもほとんど何もしなかった。16時になって、来月からのプロジェクトのキックオフミーティングがあって、ようやくそこですこし気が引き締まった。8月まで6人体制でやっていたプロジェクトが、新しいフェーズを迎えて30人体制の大所帯になる。自分の存在が薄まってしまうようなきがしてちょっと寂しい気もする。でも良い顔ぶれだ。楽しみではあるし、振り落とされたくないという気概もある。

学生時代の友人にひさしぶりに会ったのは良かった。古本屋の街でカレーを食べた。確定された未来に甘んじるひとびとのつまらなさ、そういうひとびとから漂う特有の所帯じみた生活感について話した。未来を選び取っていくというのは不確定性の排除で、すなわち可能性の排除で、そのひとのその先が見えてしまったら面白くないのは当然だと思う。私の想像の範疇の外にいてくれなくちゃ。