午前中に起きるとの決意むなしく(4時過ぎまで起きていたので当然だ)、午後2時半をまわった頃に起きる。夜更けに恋人に送ったメールの返事がラインで来ていた。それなりに考えて送ったつもりの文章ではあったけれど、それだってひとりよがりにすぎないかもしれなくて怖かったから、恋人の言葉は嬉しかった。もったいないくらいのひとだけれど、そんなことを言っているとまた不服そうな顔をしそうなので、素直に愛しいと思うにとどめる。素敵なひとだ。長い文章のあとに、返事がしにくいだろうからおはようだけでいいよ、と一言添えてあるところまで含めて、ほんとうに好きだ。
16時過ぎまでは、今週の韓国の音楽番組をひととおり流し見していた。私よりもこの世界に詳しい人は星の数ほどいるし、その人らに評価をアウトソースして効率的に楽しむこともできるのだろうけれど、なんとなくそれではもったいないような気がするので、もうすこし聴く幅を広げたいなあと思っている。音楽のジャンルがわかるようになると楽しそうだ。
この曲がすきだった。歌詞がさみしげで好み。
夕方は両親と散歩に出た。
ニワゼキショウの実。提灯みたいでかわいい。日差しがいい感じだ。アヤメ科だというのを初めて知ったのだけど、言われてみれば漢字では庭石「菖」と書くのだった。
八重のドクダミ、初めて見たので母とふたりではしゃいでしまった。
植物学の授業でABCモデルについて習ったことがあったのを思い出した。この先、自分が生物学を専門として学位を取得したことを意識する機会はほとんどないのだろうけれど、それも悲しい。鈍器と呼ばれていた、背表紙が5cmくらいあるCell Biologyの教科書はいまだに捨てられなくてとってある。あれもきっと今読み返したら面白いのだろう。最近、大学に戻りたいと思う頻度が増えている。生物学ももう一度きちんとやりたいし、哲学を諦められていない。政治学やジェンダーの授業ももっと取りたかった。
シロバナマンテマ。ナデシコ科マンテマ属。
ヒルザキツキミソウがよく咲いていた。恋人に写真を送ったら「草原のくらげみたい」とのこと。軽やかな、重力を感じさせない佇まいに、共通するものがあるのはわかる気がする。これから出会うたびにくらげのことを思い出して嬉しくなるんだろう。
マメグンバイナズナ。赤と緑のグラデーションが美しい。生えている場所もいい。きみが主役だ。
これも初めてお目にかかった、ヒナキキョウソウ。さっぱり科がわからなくて同定に時間がかかったが、キキョウ科キキョウソウ属とのことでした。可憐。
トキワツユクサ。凛としているようでいて、ふわふわとした抜け感も併せ持つあざとい子。日当たりのせいなのか、葉の色がすこし抜けていた。
今日もっとも興奮したのはワルナスビ。ナス科ナス属。棘があることは知っていたのだけど、まじまじと近くで観察したことがなかったので、葉の裏や表にも棘があることに気が付いて楽しくなってしまった。茎に棘があるものはよく見かけるけれど、こんな武装のしかたもあるのだ。これだけで30枚近く撮っている。真横にスーパーがあるところでしゃがみこんだりしているので、しばしば視線を感じるのだが、楽しくてやめられない。
葉の表
裏
ワルナスビという名前を聞いた恋人が、小学生みたいなネーミングセンスだというので笑った。刺々しいのもワルっぽいが、毒を持っているので正真正銘のワルである。でも、オニノゲシにしてもそうだけど、こう他者を寄せ付けない攻撃的ないでたちの植物を見ると、さみしそうに見えて離れがたい。バラのような華やかさがあるわけでもなく、ただ地味に、目を留められることもなく生き延びようとする姿が健気で惹かれる。あるいは親近感なのかもしれない。
同じくナス科ナス属のイヌホオズキの仲間。バカナスという別名があるらしく、これまた小学生みたいなネーミングセンスだ。名前をつけるのが人間なので仕方ないのかもしれないけれど、同じ仲間のナスやホオズキと違って役に立たないからってバカとよばれてしまうのも理不尽だなあと同情してしまう。
だいぶアジサイが色づいてきた。雨の季節がくる。