2022/1/7

昨日の重たい曇り空が嘘のように、つきぬけた冬の青がもどってきた。

仕事はとくに何事もなく、やりたかったこともそれなりに片付けることができて、気分はわるくない。嵐の前の静けさのようで怖い。連休明けからが正念場だ。

昼食は、母に持たされたレトルトの七草粥を食べた。夜はどうしても甘いものが食べたくて、パフェを目当てに近所のファミリーレストランに。

全話無料公開されていた『10DANCE』を一気に読みとおした。馬鹿のひとつおぼえよろしく、すぐにプラトンの人間球体説を結びつけて考えたくなりがちなのだけど、これもそういう話だった。うらやましい、と思いながら読んでいた。私は今でもずっと自分が欠けたままのように思える。最近はもう探すこともやめたけれど、この世界のどこかに自分の半身がいるんじゃないかという願いを捨てることは、まだできていない。

夜は斉藤壮馬さんのラジオをリアルタイムで聴いた。年末に行った朗読劇「みきくらのかい」について、かなりの尺を割いて言及していた。私が行ったソワレ公演で、彼は物語の終盤で泣いていて、そのことをふりかえって全部出し切ることができた、と手応えのあった様子で話してくれていたのが嬉しかった。あの舞台のことを、壮馬さんは、たましいのぶつかりあい、と呼んだ。あの日の記憶をたぐりよせるとき、私の脳裏にも、三木さんと壮馬さんのたましいが触れてまばゆく一閃する、そういう印象が浮かぶ。あのときも、自分はすごい場所に居合わせたのだ、と気持ちが震えっぱなしだったけれど、壮馬さんの話しぶりから、あれが彼にとってもほんとうに大事な公演だったことが伝わってきて、そのことが嬉しくてたまらない。ほんとうに行けてよかった。

東京の新規陽性者は922人で、一週間前の12倍近いという。教科書どおりの指数関数的増加。明日からの三連休を最後に、親しいひとびととはとうぶん会えないことになりそう。再来週の出張もとりやめるように相談しようと思う。