2022/1/13

忙しさはそうかわっていないのに、日記がぱたりと書けなくなって、じわりと嫌な気分だ。どうやって生きてたんだっけ?このところずっと、何者にもなれない自分みたいなものを持て余していて、物語を創る側にはなれないことに、折り合いつけたんじゃなかったのかよ。すこしまえのラジオで、斉藤壮馬さんは「自分がにせものなんじゃないかっていう感覚がずっとある」と言っていた。それ以上つっこんだ言及はなかったし、あったところで彼のもつその感覚がどういうものかを私が体感することはできないけれど、でも、そういう言葉で形容される感覚には、すごくすごくおぼえがある。張子の虎。はりぼて。そういう自分でも、まあそう悪くないんじゃない、そう思えるようになりつつあったと思ったんだけどなあ。ずっと、小説が書きたかった。自分の文章が好きで、書くことは私の矜持で、存在の証明で、でもじゃあ何が書きたいんだっけ、って思ったときに、書きたいものが全然見つからないのだ。そんなの、なんにもない人間みたいだ。仕事をするだけの容れ物でいたくない、からっぽのままで死にたくない。別に小説のかたちにならなくたっていい、書きたいものがある人間でいたい。自分のなかにあるまっくらな空洞を直視したくない。私が私を楽しませることができないのがつらい。

どうも気持ちに張り合いがなく、買い物に行くつもりだったけれどやめてしまった。冷蔵庫はほとんど空だが、さいわい冷凍しておいた鶏もも肉と玉ねぎとたまごだけが都合よくあったので、それで親子丼をつくった。いまだに調味料の分量はレシピを見ないとあやしいものの、火のとおし具合は失敗しなくなってきた。それと豆腐の味噌汁。

最遊記RELOADの3、4巻を読んだ。三蔵のこと、じわじわと好きになってきている気がする。遅効性の毒みたいな男。それとまほやくのカードストーリーをどかっとまとめて読んだ。開放するだけしておいて、読む踏ん切りがつけられずにそのままにしてあったものだ。読むたびにじんわりと、やっぱりこの世界のことが好きだなあと思う。好きだからこそ、おざなりに受けとめたくなくて後回しにしてしまって、でもけっきょくこうして一気に読んでいるのだから、本末転倒のような気もする。まだ2周年のストーリーも最後まで読めていないし。うまく愛したいのだけど。