2022/1/14

朝の会議をふとんのなかから出て、頭の重さに耐えきれず昼まで寝てしまった。昨日も同じことをやっている。暇なときの裁量労働とはいいもので、べつにそれで仕事に支障が出るわけでもないのだけど、妙なところでまじめなせいで罪悪感だけを引きずってしまって気分が悪い。寝しなに梅酒を飲んでいるのがいけない気がする。酒を飲むと睡眠の質が落ちることなんてわかっているくせに。寒いのがいけない。

仕事は早々に切り上げて、昨日の残りの親子丼と味噌汁を温めて食べる。長めに湯船に浸かって、資格の勉強を1時間ほどしたら、ざわざわしていた気持ちがすこし落ち着いた。その時点で、斉藤壮馬さんのラジオがはじまるまでにはまだ1時間ほどあった。何かまだやらないといけないことが残っている気がして、正体のよくわからない後ろめたさにからめとられかけたけれど、むりに本を開いたら案外すうっと物語に入れて、そのことにすごく安心した。ささくれて火照った感情をひんやりとなだめてくれるような、青い静謐をたたえた作品だった。数年前にひどく傷つけた相手が大事に読んでいた本で、本屋で見かけたときもそのひとのことを思い出しながら買ったものだ。そのひとはこういうふうに感傷のネタにされることすら顔を歪めてこばむだろうし、実際不誠実なことをしていると思うけれど、忘れてしまうよりはマシだって思いたい。忘れないことでつぐなうしかないので。

壮馬さんのラジオはあっというまだった。歌で、出演作で、ラジオで、日常的に彼の声を聴いているけれど、それにしても毎日新鮮に声が好きでびっくりする。そう、私は文章で彼のことを好きになったとはいえ、そもそも声が大好きなのである。いくら聴いていても飽きるということがない。ラジオはいい。

けっきょく今日も梅酒を飲んでいる。読みさしだった文庫をもう一冊読み終えて、マーラーの交響曲を聴きながら日記を書いている。日記が書けたことに安堵する。けしてふしあわせではないと思うのに、何かが足りない。自分が世界から消えかけているような気がする。なんなんだ。