2022/1/24

自分がつくづく意志のよわい生き物だ、と思うのは、布団に携帯電話を持ち込んでしまうときである。翌朝の寝起きが悪くなるのは経験からわかりきっているのに、やめられない。一昨年つくったばかりの眼鏡の度が合わなくなってきているのも、たぶんこれがいけないのだろうとわかりつつ、夜毎インターネットを徘徊してしまう。眠りにつくまでの何もない時間が苦手で、睡魔がやってくるぎりぎりまで情報を摂取し続けてしまう。そういうわけで、午前七時半に起きるという目標は今日も達成できなかった。通勤していた頃、いったいどうやって生活していたのか、すっかりわからなくなってしまった。

夕方から仕事だという元恋人が昼頃に家に遊びに来た。ひと月以上ぶりに顔を合わせて、いまさら新年の挨拶をする。買い出しついでに、近所のハンバーガーショップでハンバーガーをテイクアウトして昼食をとり、みきくらのかいの公演映像を一緒に観た。年末に現地で観たときに、いかにおもしろかったかというのをさんざん聞かせたので、期待値を上げすぎてしまったかと思ったが杞憂だった。楽しんでもらえたようなので満足。現地で観たときには最後列で、演者ふたりのこまかい表情までは追いきれなかったので、私としても新鮮に楽しかった。現地でも圧倒された三木眞一郎さんの演技は、やはりすごかった。三役を演じ分ける技量は、声を聴くだけでも歴然としていたけれど、あれだけ表情を大写しにする映像でも、三人の役がそれぞれ憑依しているのが見てとれて、あらためてそのすごさに嘆息した。斉藤壮馬さんは作品にたいしての誠実さが見えた気がして、さらに好きになった。どちらも、台詞の応酬だけでなく、三人称視点での語りも合間に入っているので、感情の込められた役の言葉と、淡々とした語りとの切り替えを難なく(実際には難しいのだろうが、そう感じさせない)してみせるのもすごいと思った。劇団四季みたいな絢爛な装置や衣装で飾り立てられた舞台も大好きだけれど、そういうのとは対局にあるような、削ぎ落としたシンプルな舞台のおもしろさをあらためて感じられて嬉しい。映像の視聴期限は購入から丸二日だけだが、あまりに惜しい。

壮馬さんは体調を崩したという発表がでた。ここひと月の感染拡大の状況を思えば驚くものではないにせよ、それなりに動揺してしまった。どうかゆっくり療養して、何事もなくあってほしい。

夕食は、窓辺で育てていた豆苗がいい具合に伸びていたので収穫して、水菜とえのきと一緒に湯がいて、茹でた豚肉と一緒に梅和えにした。それとキャベツと玉ねぎの味噌汁。それから資格の勉強を二時間ほどやった。『ワールドトリガー』の3期最終話を観て、まほやくのイベスト『星降る空のメモワール』を読んで一日を終えた。