2023/1/20

9時半すぎまで布団でのんびりする。裁量労働制、よく「定額働かせ放題」と陰口を叩くのだが、仕事が忙しくない時期にこういうことができるのはありがたい。

夕方はさっさと仕事を切り上げて、5年以上ぶりにネイルサロンに行った。ジェルネイルが苦手な理由はいくらでもある(ネイリストと喋りたくない、爪が長いのが好きではない(タイピングしにくい)、「正しい女」に寄せにいく感じが落ち着かないなど)のだが、それでもやりたい気持ちのほうが勝った。それもこれも来月のモリミュが楽しみすぎるからである。爪の長さは我慢するとして、予約の要望欄で会話は最低限にしたい旨を記入してネイリストとの会話は回避できるし、「正しい女」への違和感は、かわいらしい凝ったデザインではなく単色使いにすることで軽減できる。黒と見紛うほどに暗い深緑を選んだ。安直なオタク仕草だが、憂モリでいちばん好きなキャラクターであるアルバート(久保田さんが演じる役でもある)の瞳の色でもある。当然だが、自分でネイルポリッシュを塗るのとは仕上がりの美しさが全然違う。つやつやとした爪の光沢が嬉しくて、何度も指先を眺めてしまう。

帰宅後、夕飯を作るのが億劫でしばらくドラマを観ていたが、急遽連れが来るというので慌てて作りはじめた。1時間弱で親子丼、白菜と小松菜とベーコンの中華風スープ、なすの煮浸しを作った。あいかわらず調味料の分量はレシピサイトを参考にしないと作れないが、段取りはずいぶん上達してきたものだと思う。親子丼は、卵の火加減も、味付けも過去一番の出来だった。かなり天才的。

パートナーと同居する悪友が、料理は好きだけど、結果だけ見たら女が料理の役割を担ってしまうことになるのに違和感があるという話をしていたことを最近よく思い出す。私もなんだかんだ料理をするのが好きだから、自分がその立場にあることに不満があるわけではない。その分食器を洗うのは連れにやってもらうという暗黙の分担もできつつあって、不公平でもない。そもそも私の場合は同居しているわけではなく、家事は家主の私がやるのが当然なので、考えるだけ野暮だとも思う。ただ、私や悪友が料理を好きでやりたいと思うのは、料理を家族にふるまう役回りを引き受けてきた母親の姿の影響が確実にある。ここにあるのは、そういう価値観の呪縛から、フェミニストであるはずの私たちが結局逃れられていないことへの違和感である。女は料理をするという価値観の再生産に、結果的に加担してしまうことへの違和感。フェミニストであるとは、フェミニストとして生きるとはどういうことなのだろう。