2023/2/2-5

心待ちにしていたミュージカル『憂国のモリアーティ』Op.4の東京公演がいよいよ始まったので、木曜からひたすら天王洲アイルの銀河劇場に通っている。こんなに楽しいことが世界にあったんだ、というくらい毎日が輝いていて、鬱屈とした気分が続いていた1月が嘘のようだ。あまりに元気になったので筋トレを再開しているし、勉強にも精を出している。影響を受けすぎているので、今から公演期間が終わるのが怖くて仕方がない。燃え尽きてまた無味乾燥な日々に逆戻りするのは嫌だ。

行くと決めたのは久保田さんに惹かれはじめたばかりの頃で、直近で出演が決まっている舞台だからという消極的な理由だったはずが、気づけば東京15公演の大半に入ることになっているのだから、自分でもずいぶん入れ込んでいるものだと思う。好きな俳優が好きなキャラクターを演じてくれて、それが好きであること、なんという幸運なんだろう。久保田さんはもちろんのこと、過去作の配信で何度も何度も何度も観ていたキャスト陣の演技、歌声、演出すべてをこの目で実際に観られることがほんとうに嬉しくてたまらない。こんな短期間に何回も同じ公演に入ることってこのところなかったので、飽きが来てしまったら嫌だなとちょっと思っていたのだが、5回観た今、全然杞憂だったと感じている。さすがに4日目にもなれば化粧が落ちるほど泣くことはなくなってきたものの、毎回新鮮に楽しくて、舞台ってほんとうに最高。どうがんばってもスケジュール的にこれ以上は入れなさそうなので、もう折り返していることに気がついて昨夜泣きたくなっていた。どうして舞台って終わってしまうんだ。

本も漫画も映画もアニメも好きだけど、私はやっぱり舞台が好きだ。永遠に再現できない、その時かぎりの刹那性。もちろん本や漫画にしたって、読むときの自分の心持ちや知識・経験次第でまったく違う体験ができるものだけど、舞台は演者と鑑賞者の双方向性がもっとも強い表現形態だと思う。舞台の上に物理的に世界を作り込めばいいというものではないし、そんなことはそもそも不可能だ。同じセットが、音響や照明によって屋内にも屋外にもなる。でもそれは、観客の想像力があって初めて成り立つものだ。演劇は、観客がいないと完成しないのだ。そんなことを、今回のモリミュの船上でのシーンを観ながら考えていた。つくづく、学生演劇にかかわっていた頃、もっとどっぷり浸かっておけばよかったと悔やまれてならない。

モリミュの感想は別でちゃんと書くつもりだけど、今、ほんっとうに楽しい。久保田さんにも、久保田さんを知るきっかけになった薄ミュライブに連れて行ってくれた友人にも、その友人を薄ミュライブに行かしめるに至ったあらゆる人にも、ずっと感謝の気持ち。

あと数公演。大事に、大事に観る。