2023/2/17

仕事が暇すぎてやるべきことにまで手をつける気力が起きなくて困っている。昼過ぎ、上司から電話が来る。最近話してないからどうしているかと思って、というので、話すことがないですからね、と軽口を叩いた。ときどき入る連絡を打ち返しつつ、資格や英語の勉強をしていた。

夜になって、釣りに行っていた連れが遊びに来た。今日の釣果はふるわなかったようで、カワハギとアイゴが1匹ずつ。連れが捌いてくれて、カワハギは刺し身を肝和えに、アイゴは半身を刺身、残りをムニエルにした。どちらもかなり美味しくて大満足。肝和えは酒飲みの食い物である。

21時をまわったところでメイクをして着替えて、おにいさんとのヨントン。いろいろ考えていたことの半分も言えなかったけれど、本人に芝居が好きなこと、先日の舞台がほんとうに楽しかったことを伝えられたのは嬉しかった。たかだか3分のために化粧をする私って健気だよねえと言ったら連れに苦笑いされた。

そのあとは連れが持ってきた映画『スリー・ビルボード』を観る。先日見た『セブン・サイコパス』と同じマーティン・マクドナー監督作品である。あのときも形容しがたい作品だと思ったが、今作もなおのことだった。連れはいたく気に入っていた。私はというと、どうとらえていいのか未だに掴みあぐねている。私の中の棚のどこにも置けない映画だった。でもそれは気に入らなかったということではけっしてなく、ただ自分のどこにどう響いたのかがわからないだけなのだ。連れは「純文学的」と評していて、その表現の的確さには舌を巻いた。私にはやはり映画のことがずっとわからない。舞台のことも、本のこともわからない。自分が語る言葉を持てないことにずっと歯がゆさを感じている。