NIGHTMARE BIRTHDAY LIVE 2023〜柩BD〜 @EX Theater Roppongi

インターネットで知り合って久しいものの初めて会う友人と、共通の友人と三人でランチとお茶をする。楽しかったけど、とにかく花粉にやられて終始鼻水と格闘する羽目になったのには閉口した。初対面の印象が鼻水の人になっちゃったじゃんか。

ナイトメアのギタリスト柩さんの誕生日ライブ。ライブに行くようになってからずっとひとりだったが、今回はその初対面の友人が一緒にいてくれた。柩さんが事前にツイッターで「みんな疲れるかもしれない」と予告していたけれど、1曲めはDARKNESS BEFORE DAWNで静かにはじまった。今思えば、やっと今回、三年ぶりに声出しが解禁されて、もちろん感染症の流行は終わっていないけれど、ミュージシャンとしての暗い暗い夜がようやく明けるという嬉しさを込めた選曲だったのかもしれないと思う。「割れるほどに響く声が歌となり  やがて笑えるよねキミとまた」という歌詞は、Quintsやアンコールのstar[K]nightでの客席合唱の伏線だったのだなあと、歌詞を読み返してしみじみと嬉しくなった。

2曲めのdogmaでメンバーコールをやって、私もふくめ客席に声を出せる!という実感が湧いてからギアが一気に上がった感じがする。そこからは予告のとおりしっかり暴れるためのセットリストで、3曲目の東京傷年の時点で私は早々にカーディガンを脱いで半袖になっていた。極上脳震煉獄(その名の通り、ヘドバンのための曲のシリーズ)の弌式、弐式と来て、弎式の曲名を黄泉さんが告げたとき、友人と顔を見合わせて「さんしき~!」ってふたりして指を三本立てて笑った瞬間、ものすごく幸せだった。おかげでしっかり首が筋肉痛。中学生の頃から聴いていたLost in BlueやFly me to the Zenithが聴けたのも嬉しかった。

私の席はちょうど咲人さんの立ち位置の真正面で、star[K]nightの合唱のときにまなじりににじむ涙が照明をはじいてきらきらしていたのが見えた。嗚咽をこらえるように歯をくいしばりながらギターを弾き続ける姿から目が離せなくて、この人に届いてほしいと思いながら歌っていた。

ステージの上で楽しそうに酒を飲んでいるのも、黄泉さんが仕込んだ柩のお父さん電話出演サプライズもぜんぶおもしろくて愛しくてたまらなかった。5人のこと、人間関係の理想として見上げているところがあるかもしれない。20年以上一緒にいて、こうして一緒に年を重ねていける関係を人間どうしが築けるんだってことを、希望を見せてくれてありがとう。たぶん15年前に好きになった頃とは違っていて、でも変わった部分も変わらない部分もふくめて、この人たちのことが好きだ。このバンドのことがずっと好きだ。なにより、柩さん、ほんとうにおめでとう。

夜はお姉さんの結婚式に参列していた連れと合流して、家の近くに新しくできた居酒屋に行く。写真をいろいろ見せてもらって、家族の話を聞いた。ふだんあまり積極的に話そうとしないので新鮮だった。居酒屋は安かったけど、味も相応だったし、日曜の夜とあって売り切れも多かった。アルバイトの学生たちが楽しそうだったのはすごく良かった。日本酒を買って帰宅し、家で飲み直した。結婚式からもらって帰ってきたという花束をもらったので飾った。華やかで嬉しい。連れと私はクラシック以外に好きな音楽が共通しないのだが、眠りに落ちるまでのあいだ、めずらしくジャズの話をして、私の好きな曲をいろいろと聴かせていた。