仕事は早々に終えて、明るいうちに家を出た。非番の連れと映画館で落ち合った。映画館に行くとメロンソーダが飲みたくなると前に話したのを覚えていてくれたらしく、メロンソーダを買って待ってくれていて嬉しかった。観たのは今年まもなく日本での上映権利が切れるということで最終上映しているギレルモ・デル・トロ監督の『パンズ・ラビリンス』である。日々膨大な量の映画を見る連れがオールタイム・ベストの作品だというので楽しみにしていたが、なるほどものすごく良かった。なんというか……映画としてあまりに完璧で、語る言葉がない。この作品を気に入りそうな友人の顔が浮かんで、会いたくなっている。
映画が終わってもまだ飲み屋街が賑わうには早い時間だった。映画の舞台がスペインだったので、スペイン料理屋に入ることにした。それなりに飲んで酔っ払ったのだが、物足りなかったので家の近くのファミリーレストランで飲み直すことにした。ラストオーダーの5分前にやってきたというのにワインのマグナムボトルを頼んだ私たちに、店員が怪訝な顔で「お間違いないですか？」と確認しに来たのが愉快だった。連れと飲む酒は楽しい。
