2024/3/31

前の晩、好きだった女の子と別れ、ホテルの部屋で連れと通話しながら夕飯をとって、シャワーを浴びてベッドに潜り込んでからも、気持ちがたかぶってなかなか眠れなかった。寝たら終わってしまうことが悲しくて名残惜しかったからだ。けっきょく、午前2時近くまで寝付けずにいたので、空港に向かう午前6時半の電車にはぎりぎりで滑り込んだ。

昼過ぎには成田空港に到着。日本は夏日。持ってきた沢木の単行本は読み切ってしまったが、たまには車窓を楽しんで帰るのもよかろうと思い、鈍行で2時間以上かけてゆっくりと帰った。昨日の朝よりも緑がひときわ濃くなったような印象があった。

帰宅して荷解きやら家事やらをして、一段落した頃にうっかり布団に意識を持っていかれてしまい、目を覚ましたのが午後5時すぎ。あわててオンラインの配信でコンサートを観はじめて、けっきょく最後まで見たけど、やっぱり昨日この目で、肌で感じたものには敵わなかった。当然といえば当然なのだけど、昨日に戻りたくて、恋しくてどうしようもなくなってしまった。

公演が終わった頃には9時をとっくにまわっていて、疲れもあってとても夕飯を用意する気にはなれなかったので、外食にすることにして、連れの帰りを待っていた。セブンティーンにまだ浸っていたい気持ちもあったものの、今日解散するセクゾのことも気にかかって、迷った末にこちらも配信ライブを観た。 すごくすごく良いライブだったし、良いグループだなと思った。単純な熱量の多寡という以上に、私は彼らの作品や人となりに向き合おうとすることなしに楽をして楽しもうとしてしまったというか、彼らに対してあまり真摯なファンではいられなかったなという後ろめたさがあるのだけど、まがりなりにも彼らに惹かれた人間のひとりとして、彼らの大事な日を見届けることができてよかったと、それだけは間違いなく思った。

けっきょく夕飯はピザをとって、店舗まで往復30分ほどの距離を、連れと夜風を浴びながら歩いた。春の気配にピザのチーズの良い匂いが溶け込んできたので、帰り道はすこし足早になった。食べながら『ダンジョン飯』の8話を観た。