180925

随分と冷え込むようになってきた。それでもまだコートを着るほどでもない気がしていたけれど、今朝は会社までの道を歩いていたら団栗が落ちているのを見つけたから、そろそろ着てもいいかもしれない。帰りにスーパーに寄ったら、柿が並んでいた。前に祖母が住んでいた家の庭には立派な柿の木があった。母が幼い頃に食べた柿の種を埋めたのだ。今まで、あの木になる柿よりも美味しいものに出会えたことがない。祖母が引っ越す時に家は取り壊して、その時に木も切り倒してしまった。スーパーに並ぶ青くて硬そうな柿を眺めながら、あの柿が食べたいなと思った。秋だ。季節が移り変わる時にしか感じない空気の匂いが好きだ。ちょっとさみしくなるような季節は愛おしい。

一人暮らしをするようになって、かれこれ1年弱が経とうとしている。大学時代から親元を離れて生活していた知人は皆口を揃えて、「やってみれば案外なんとかなる」と言っていたものだけど、本当に案外なんとかなるものだ。それまで留学なんかをすることもなく、実家を出たことのなかった私でもゴミ屋敷にはならないし、まあ洗濯物はしょっちゅう溜めてしまうけど、自炊なんかしてみたりもして、冷蔵庫に残る食材を組み合わせて料理を作ることだってできるようになった。そろそろ全部の季節を経験して、どれくらい光熱費がかかるものなのかとか、生活費を抑える方法とかも少しずつ掴めるようになってきた。それでもまだ未知の出来事というのは起こるもので、今日は冷蔵庫でも豆腐が凍ることを知った。食べられないわけではないけど風味は落ちるというから、今度麻婆豆腐にでもしてしまえばいいかなと思っている。凍らずに生き残っていたやつもいたので、わかめと一緒にそれを味噌汁にした。夏の間は暑くて作る気になれなかったから、随分と久しぶりに食べた。味噌を目分量で入れて丁度いい味にできるようになったのも、この1年のことである。秋だ。