昨日、布団を干していたので、夜潜り込んだ時の気持ちよさったらなかった。
午前中は会議で終わった。昼休みは恋人と電話していた。映像通話で、顔を見るのは一週間以上ぶりだった。30分ほど話していたが、気が重くなるばかりの連日のニュースで張り詰めていたのが解けたのか、途中からは眠たくなった。
家族が四六時中いるせいか、やはり仕事には集中できないまま日が落ちた。家を出るときに机を処分してしまったので、仕事をできる場所がリビングルームしかないのがいけない。すこしばかり自分の家に戻ることを考え始めた。とはいえ、仕事帰りでもなければわざわざ買い物に出ることもしない自分がこの状況で家に戻ったら、大げさでなく餓死しかねない。
夕飯はアボカドとミニトマトのサラダ、空豆と浅蜊のアヒージョ、チリビーンズ。両親が揃って酒飲みなので、食事もしたがって飲み屋然とする。母は自らを飲み屋のおばちゃんと呼ぶ。料理係を押し付けるのも忍びないのだけど、楽しそうだから良いのだろうか。父も私も母の料理が好きだから、食卓は楽しい。
最近母はインスタグラムに凝っているようで、娘としては親の自己顕示欲を目にすることになるのは少々苦しいものがあるけれど、個人の好きにすればいいことだと思っているので特に口は出さない。学生時代の過保護さを顧みるに、よくここまで子離れしてくれたものだと思う。SNSであれ、料理であれ、母だけの楽しみを見出してくれていることは、私にとっても母にとっても大事なことなのである。
夜にまた仕事をして、ドラマを見て、文章を書いた。それからジノのカバー企画の最新曲を聴いた。相変わらず私が好きになったジノがそこにいて、泣いた。今でも歌声が世界一好きだ。魂を削るような、火花が全身から散ってきらめくのが目に見えるような、そんな歌い方をするひとだ。好きになった頃からずっと変わっていない。嬉しくて、満足するまで何度も繰り返して再生した。このひとを好きで嬉しい。ジノの歌声を聴いていると、心臓がぎゅっと収縮して、いろんな感情が呼び起こされて苦しくなる。その感覚が好きだ。私はいまでもこのひとに生かされている。
