7月26日(日)雨のち晴れのち雨のち晴れ

7時半に起きる。体がずうんとマットレスに沈み込むようにだるい。読書会の途中から土砂降りになった。いつもどおり8時15分に通話を終了してから、耐えきれずにもういちど布団に身を投げた。眠気の問題というよりは、単純に調子が悪くて仕方がなかった。

ふたたび目を覚ましたのは10時ごろで、眠る前にあんなに降っていたのが嘘のような快晴になっていた。体調も明らかによくなっていた。起き出して、洗濯をした。そのあと掃除機をかけたら、じっとりと体中に汗が滲むのがわかって、嬉しくなった。休憩がてら、アイスバーをかじって、やっぱり夏はこうでなくちゃな、と思った。12時過ぎに昼食をとった。はじめてゴーヤチャンプルーを作ったのだが、思った以上に簡単で、なんだか儲けたような気分になった。美味しかった。

午後はどうしようかしばらく悩んだが、けっきょく出かけることにした。昨日、元恋人と別れたあと、駅で東京国立博物館の『きもの展』の広告を見かけて、面白そうだったので、衝動的にその場でオンラインチケットをとってしまったのだ。外に出るのはどうしたってやはり怖いので、自分の短慮にうんざりしたものの、展示そのものへの興味が勝った。実際、内容はとても良かった。きものの形状や流行の模様、染の技法などが時代別に丁寧に解説されていて面白かったし、なにより、展示されている絵画や着物はどれもがため息をつきたくなるほどに美しかった。天璋院篤姫の打掛なんて、大河ドラマの中のものだと思っていたので、実在していることに感動してしまった。館内は混雑はしていたものの、オンライン予約制のおかげでごった返すというほどでもなく、落ち着いて見ることができたのも良かった。美しい色彩が、数百年の時を経てもなお褪せずに存在していることは、希望だなあと思った。

3時半に上野駅についたときは本降りだったが、たっぷり2時間半かけて見て回って、外に出たらまた青空が広がっていて、見事な夏雲がもくもくと湧いていたので嬉しくなってしまった。スターバックスで抹茶フラペチーノを買って、上野公園のなかをふらふらと歩き回った。イヌホオズキヤブミョウガヤブランタマスダレなんかを見かけた。家のほうでも徐々に蝉の音が高まってきたけれど、上野は季節の進みが早いのか、すでに蝉しぐれというふさわしい大音量が鳴り響いていた。3か所ほど蚊に刺された。不忍池まで降りたら、ちょうど蓮のつぼみがふくらみはじめた時期で、それは美しい光景だった。もうあと数日もすれば見ごろなんだろう。ランナーがたくさんいて、つい好きな男がいないか探してしまった。

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夏空の上野公園

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ビル群の手前一面の蓮

帰宅したのは8時を過ぎていた。筋トレとストレッチをして、シャワーを浴びて、夕飯を食べた。昼に作った残りのゴーヤチャンプルーと、茄子の中華風酢醤油和えと、サラダと、梅なめたけの冷ややっこ。梅なめたけはツイッターで見かけて作ってみたものだ。簡単なうえに日持ちするので、これも夏に重宝しそうなメニューである。

上野からの帰途でわずかに読み切れなかった平野啓一郎の『空白を満たしなさい』の上巻を読み終えた。連休中いちども会社のPCを開かなかったので、さすがに不安になってメール確認くらいはしようかと考えていたのだが、けっきょく続きが気になってしまって、そのまま下巻も読破してしまった。