11月15日(日)

9時には起きるつもりだったのに、けっきょく11時まで眠っていた。もっとも、5時前まで起きていたから仕方がない。昨日洗い残したシーツとタオルを洗濯機にかけて、今週の家事は終わり。

冲方丁『ばいばい、アース 1』を読み切る。10年越しに読んでも、言葉遊びの秀逸な作品であるという印象は変わらない。剣と音楽、植物と動物、そういう異なる属性のものを、なんの違和感もなくひとつにまとめあげた世界を作れるのはすごい。

そのあとは友人に勧められた『頭文字D』のシーズン1を完走した。この作品について語る言葉を持てないのがもどかしい。私が『ハイキュー‼』に心酔していることを知っている友人には、「チームスポーツが好きならあんまりハマらないかも」と言われていたけれど、そういうことではない気がする。刺さらないなら、それはそれで理由をちゃんと見極めたいのだけど、ないものの証明というのは難しい。あるものの理由を説明するほうがずっとかんたんだ。

14時過ぎ、近所のカフェで遅めの昼食をとる。サンドイッチとコーヒー。ミシェル・ウェルベック『闘争領域の拡大』を読了。けっして読んでいて気持ちのいい作品ではなかったけれど、自由主義社会における恋愛の残酷さみたいなものをテーマにした文章というのは、なんというか、必要とされているものなんだろうなという気がする。3時間ほど長居してしまったので、かぼちゃのタルトも頼んだ。

カフェを後にし、買い物をしたあとは、『Free!』を観ながらトレーニングバイクを40分ほど漕いだ。血流がよくなって、背中がぴりぴりと痒くなっていく感覚が好きだ。筋トレとストレッチも時間をかけてやった。めっきり筋肉が落ちて、自分の肉体に以前よりも重力の影を感じる。もったりと地面に引っ張られている感覚が気持ち悪い。我慢ならない、と鏡に映る自分の体に閉口したのが数日前のことだ。あいかわらず、欲望と強迫観念の区別がついていない。きれいになりたいのか。きれいにならなくちゃならないのか。

20時半、家を出て、隣町の映画館へ。こんな時間に映画を観に行くのははじめてのことかもしれない。元恋人が絶賛していた『羅小黒戦記』を観た。アートワークが美しくて、キャラクターが魅力的で、こういう作品に携わることのできるひとびとは誇らしいだろうと思った。

帰宅して、蕪の葉を炒めたものの作り置きと冷凍ご飯と卵で炒飯にした。文句なしの日曜である。