2022/1/3

箱根駅伝の8区の序盤で起きる。身内に出身者の多い大学をどうしてもひいきしたくなりがちだが、もうずいぶんと成績はふるわない。

IDOLiSH7の3部をようやく読み終えた。徹底したリアリズムというのとは違って、フィクションらしい突飛さはあるけれど、そのなかで描かれるキャラクターどうしの関係はリアルだ。各々が内側に抱える感情と、その感情の帰結として相手にぶつける言葉がずっしりと重みを持つので、初めて読むわけでもないのに、新鮮に感情をかきみだされる。こんなふうに誰かと衝突しながら向き合うということをずいぶんやっていないな、と思った。

まほやくのハロウィンのイベントストーリー『お菓子と可笑しなお伽噺』もやっと読めた。怯えるこどもたちと話すために、しゃがみこんで目線をあわせて話そうとするヒースのことがやっぱり好きだと思った。ヒースを好きな自分、どことなく背筋がのびるような気がして好き。ムルが魔法でさくらんぼを花に変えてみせて、こどもたちが目を輝かせるシーンで思わず涙腺がゆるんだ。西の国の魔法使いはエンターテイナーだ。オーエンのことはよくわからないままだった。オーエンのことも、オーエンにたいする自分の思いや解釈もいまひとつくっきりとさせられないままで、その居心地のわるさとの折り合いがつけられていない。ヒースとはまた違ったかたちで大事な存在であることはたしかだけど、大事に思っていいのかどうかもわからない。だって、好意とか愛情とか、オーエン自身は望まないひとだと思うから。どう言葉にしても不正解で不誠実な気がして、自分のなかで触れられなくなっていく。たぶんオーエンのことを考えることから逃げているんだろうなという気がする。でも好きでいたい。

夜は、大学時代の演劇の仲間8人と集まった。うち6人とは先週も顔を合わせているので目新しさはないものの、この顔ぶれがそろうのは5年ぶりである。まったく同じ顔ぶれで宅飲みをやって、全員がひどい悪酔いをして、皿やら蛍光灯やらがばりばり割れるという地獄のような飲み会があって、それ以来だ。もうあんな飲み方はできないよなあ、という話でひとしきり笑った。学生演劇をとりまく人間関係というのは、講義以外の時間の多くをともに過ごすことになるから、必然的に、密度も粘度も濃いものになる。この8人も例に違わず、かつては誰かが誰かに恋愛や執着のやじるしを向けていたりした、そういうめんどうな間柄である。それがなかったことになるわけでもなく、かといって蒸しかえすわけでもなく、過去の青春として酒のつまみにできることが楽しくて、歳をとるというのはいいものだな、と酔いのまわった頭で考えていた。仲間うちでもとりわけ無口で無愛想な男が、ぼそりと「数ヶ月にいっぺんは集まりたいな」とつぶやいていた。あまり積極的に他者への愛着を表現しない男だっただけに、皆でよろこんだ。次は花見をやろう、と約束して別れた。