2022/2/18

出社した帰り、元恋人の職場の映画館に寄り道をした。そっちに行こうかと思うんだけど、と連絡をとったら、私の行く時間に合わせて休憩をとるという。元恋人が行きたいというケーキ屋で、映画がはじまるまでの間お茶をする約束をしたが、思いのほか私の退社が遅れたせいで叶わなかった。代わりにチェーンのコーヒー屋にはいって、ミルクレープを食べた。行けなかったケーキ屋には、また別のときに行く。学生時代は頻繁に訪れた街だが、降り立つのはずいぶん久しぶりで、駅の周囲はけっこう様変わりしていて驚いた。

やはり映画は苦手だと思った。たとえるなら、強制給餌される感覚に近い(強制給餌をされたことはないけれど)。あるいはジェットコースター。ひとたび席に座って上映がはじまってしまえば、終わる瞬間まで逃げることができない。膨大な人間がかかわってできあがる、とてつもない熱量のかたまりみたいな作品を、数時間直視し続けざるを得ないというのは、かなりタフな行為だ。でも、だからこそもっと映画館に行きたいという思いもある。逃げられなくなりたい。向き合わせられたい。会員登録をしてしまったので、もうすこし頻繁に足を運ぼうと思う。単純に、元恋人と共通の話題が増えることは嬉しい。