2022/4/24

アラームは正午に設定していたが、連れも私もその一時間ほど前に目が覚めた。とはいえ、私は終日予定がないし、連れの出勤も午後からなので起き上がる理由はない。ぽつりぽつりと映画の感想を思い出したように共有しながら、けっきょく正午過ぎまでまどろみの世界と行き来していた。

ひとりになってからは、好きな声優の誕生日イベントの配信映像を観ていた。彼が自分について話すとき、他者から見た私の話を聞いているんじゃないかと錯覚することがままある。私は彼の言葉のつかい方に惹かれているけれど、それは言い換えれば彼のつかう言葉が、私の言葉のつかい方と親和性が高いということでもある。そういう人のことを好きでいるというのは、ある種のナルシシズムなのかもしれない、というようなことを考えてちょっと居心地が悪くなっていた。自分の上位互換的な存在としてとらえているような気がする。本の趣味と、食の嗜好があまり重ならないことに安堵している。違う人間であってくれなきゃ困る。

そのあとは図書館で借りた本を読んでいた。窓の向こうから、車が水飛沫をあげて走っていく音がときおり聞こえていたが、読み終えて図書館に向かう頃には雨はだいぶ小止みになっていた。連休があることを言い訳にまたたくさん借りた。このまえ来たときにはいくら棚のあいだをうろうろしても読みたいと思えるものが見つからなかったのに、今日は不思議とあちこち手がのびた。欲望の感度は、自分の体調を測る指標だと思っている。このところは調子がいいのだ。今日借りた本と、先日うちに遊びに来た友人が置いていった本とが、ソファーの前のコーヒーテーブルにうず高く積み上がっている。読むべきものがたくさんあるというのは嬉しいことだ。連休が待ち遠しい。