2022/5/21

雨粒がベランダの欄干にばたばたと当たる音で目が覚めた。洗濯機をまわして、掃除機をかけて、身支度をして出かける。月二回の学習支援ボランティアの日だ。終わって建物の外に出ると雨はあがっていたので、帰りは一駅分を歩いて家に戻った。紫陽花が色づきはじめていた。マメグンバイナズナがむくむくと道端で大きくなっていて、ヒルザキツキミソウがふわふわと優美な海月のようにやわらかなピンク色を見せていた。この国の社会のありようには日々辟易してばかりいるが、こうして街中を歩く時、言いようのない幸福感がたしかにあって、私はやはりこの土地が好きなのだと思い知る。夜は大学時代の友人と水煙草をふかしていた。甘い匂いが鼻の奥に残っている。