金曜は気持ちが死んでいて、午後はほとんど仕事をせず布団にもぐりこんで会議を聞くだけだった。風呂に浸かったらすこし気持ちが回復したので夕食を作っていたら連れが来た。ブロッコリーのかにかま餡かけ、あとは残り物の蓮根と人参のきんぴら、胡瓜と大根とかにかまのマヨネーズ和え。誕生日プレゼントを渡したら喜んでもらえてほっとした。『ハンニバル』の2話を観て眠った。
土曜は昼前に起き出し、連れの誕生日祝いで出かける。前々から行き先を告げずにどこかに連れて行ってほしいというリクエストがあったので、さんざん行き先に悩んだが海のほうへ。ほんとうはドライブでもできればいいのだが、運転を練習する時間がなかったので今回は断念。目星をつけていたパン屋でパンとコーヒーをとり、標高100メートルほどの小さな山を歩いて登った。山頂付近にある早咲きの菜の花畑はちょうど見頃を迎えていて、同じようにこれを目当てに来た人々でにぎわっていた。天気にも恵まれ、黄色の花は見ていると明るい気持ちになったし、海もよく見えてきれいだった。晴れているときは関東の富士見百景にも選ばれているのだが、雲が出てしまって富士の姿が見えなかったのだけ残念。けっきょく私が行きたくて行っただけになったが、このところ書斎にこもりきりで気分がふさいでいただけに、外の空気を存分に吸って体を動かしたらずいぶんと晴れ晴れした気持ちになった。全長100メートルのローラー滑り台もあって、小さな子どもたちが滑っているのを見ていたらやりたくなってしまったのでふたりで乗った。子どもたちは体重が軽いので摩擦が勝ってあまり速度が出ないのだが、やってみたらけっこうな速度が出て怖くて楽しかった。おとなのほうが楽しい遊具もあるらしい。山を降りてから海まで散歩に出たりした。太陽が傾くとぐっと冷え込んで、駅までの道は雪がちらついていたが、夕焼けが見事で楽しかった。
夜はもともと肉を食べたいという連れのリクエストもあったのだが、思い立って連れが学生時代にアルバイトをしていたレストランで修行していた人が独立して開いたイタリアンの店ですこし飲んでいこうということになった。シェフと連れは、レストランの在籍時期はかぶっていないものの顔見知りだったようで、カウンターで話し込んだり、誕生日ということでワインのデキャンタをおまけしてもらったりして楽しい時間を過ごした。そんなことをしていたらそれなりに腹も満たされて酔いもまわってしまったので、帰りがけに買った肉は翌日に食べることになった。夜が更けて小腹が空いてからは、カチョカヴァロというチーズを焼いたのをつまみにワインを飲んでいた。誕生日らしい過ごし方ができたかはともかく、デートらしいデートで楽しかった。
