夕方、映画館で『戦場のメリークリスマス』を観る。先日『御法度』を観て鑑賞を決めたのだが、時同じくしてこの作品に熱中している友人が同行してくれることになり一緒に観た。映画館で観ることができてよかった。『御法度』のときも思ったけれど、つくづくホモソーシャルを描くのがうまい監督なのだな。友人も私もホモソーシャルに強烈に惹かれ、同時にフェミニストとして憎む立場でもあるのだが、たぶん大島監督も同じ目線で物語を作っている感じがあるよねと終わってから話していた。魂の共鳴というか、理屈よりも先に体が反応してしまう。まだうまく言葉に落とせないし、わからなかったところもけっこうあるのだけど、ハラ軍曹とロレンスの関係がすごく好きだった。最後の別れのシーンはもちろん、序盤でロレンスが昼寝中のハラのところに訪れるシーンや、夜の収容所にやってきたハラとロレンスが会話していて、ロレンスが「あなたともう一度戦いたい」（うろ覚え）と言うシーンにぐっと心臓を掴まれたように感じたのが印象深い。原作のタイトルが“The Seed and the Sower (種子と蒔く者)” だと教えてもらって、たぶんそれを知ってもう一度見ると、いろんな感情の発芽が仕込まれているのがもっとわかるのだろうなあ。日本語字幕付きでもう一度観たい（聞き取れないので）。これもまた音楽の使い方がすごい映画だった。酒を飲みながら映画の話をつらつらとして、最高の夜。
