2023/4/24

ホテルをチェックアウトし、友人と昼食がてらアフタヌーンティー。スコーンも紅茶もものすごく美味しかった。お土産を買ったりしつつ新幹線まで時間をつぶし、東京に戻ってきたのが17時過ぎ。

この時点で体はかなりへろへろだったが、そのまま家には帰らずにひいきの映画館に寄る。大好きな友人が誘ってくれたザファの応援上映である。2月に観て以来、もう一度観たいと思ってはいたものの機会を逃していたので、こうして誘ってもらえて嬉しかった。もちろん友人に会いたかったのが一番だけど、多少無理を押して行って良かったなあと思う。日本語字幕付きだったのも嬉しかった。

発声ありの応援上映というもの自体初めてで、自分以外のオタクの言葉を耳にすることがストレスになるのではないかとか、ことこの作品については、沈黙の瞬間がすごく濃密なので、その空気を壊されるんじゃないかとか不安に思っていたのだが、案外楽しめるものだと知った。もちろん、自分の価値観と合わないと感じる野次は飛ぶのだが、むしろ日頃画一的な、似通った価値観の人間関係に浸かっている身からすると、自分とまるきり違う感じ方で作品と対峙している人間が、同じ空間にいることを体感できる機会というのは稀有なので、けっこうおもしろいのである。平たく言えば動物園的楽しみ方なので、悪趣味といえばそう。沈黙のシーンについては完全に杞憂で、それまで賑やかだった客席が一様に静まり返ったのには感銘を受けた。初めて観たときは観客もまばらなレイトショーだったのだが、そのときに劣らぬ静けさだった。やはり沈黙が魅力の映画だと思う。まさにひとつの試合を見終えたような疲労感はあるが、新幹線を降りたときのようなぐったりとした倦怠感ではなく(車内で仕事をしていて酔ったせいもある)、気持ちは軽くて、すごく楽しかった。

終映後、友人としばらく近くのレストランで話し込んでいた。映画の話をして、物語の話をしていた。あなたと一緒に文章を書きたい、と言われるよりも嬉しいことはない。最近はまたジャンルが離れてしまって、ときどき遊ぶしそれはいつだって楽しいんだけど、相手の熱中しているものを同じ熱量で共有できないことにさみしさがあるから、私もほんとうは一緒に書きたい。それと、最近かかえていた小さなわだかまりに一緒に怒ってくれたのが嬉しかった。話し足りないね。

連れの勤務が終わるまで待って、友人と別れて連れと帰宅。土産に買ってきた肉まんと焼売で夕食。連れが大喜びで頬張っており、買って帰った甲斐があった。美味しかった。