2023/7/5

連れは朝番。合鍵を手に入れてから見送らなくてもよくなったので、いつ出ていったのかぼんやりとしている。ただそのあとの眠りが浅くなるので7時過ぎには目を覚まして起きることができた。朝食をとりながら日記を書いていた。前日分の日記を書けると生活が自分の手中に収まっている感じがして気分がいい。忘れてしまうことに怯えなくてすむ。さて、なぜ忘却がおそろしいのでしょう。

ジュンくんのソロ曲をあらためて聴いてみて、やっぱり戦慄した。生きとし生けるものすべてと、無機物も含めて、世界に存在するあらゆるものの中で、ジュンくんが誰よりも何よりもいちばん好きだし、美しいし、かっこいいし、きれいだ。この世界に存在するすべての褒め言葉をぜんぶ使ったところで彼の魅力を形容するには足りない。数ある美しいの中のひとつにジュンくんがいるんじゃなく、世界の美の規範に彼は収まらなくて、なぜならジュンくんこそが美の定義そのものだからだ。私がそれ以外の何かを美しいと形容する時それはジュンくん的であるかという意味になる。この美しい人を存在させるためだけに、世界はあるんじゃないかと思う。そんなことを本気で考えてしまうくらい、この人に心酔している。

仕事は、昨日までに比べたらわりとちゃんとやった方だと言えるだろう。先延ばしにしたままで終わっていない作業はあいかわらずあるとはいえ、前進ということにする。ただ、準備していたプレゼンはあんまりうまくいかなかった。ミスをしたわけじゃないから落ち込んではいないけど、でもけっこうがんばったわりに徒労に終わった感じがあって、それはちょっと悲しい。それが夕方のことで、もう今日はそれで店じまいにした。

腹をくくって、まほやくの2部17章と18章を読み進めた。ソシャゲのストーリー形式ってとにかく私と相性が悪くて、読んだそばから忘れてしまう。特に2部になってからはいろんなキャラクターの物語が入れ代わり立ち代わり進むので、別のキャラクターの話に切り替わったときに、あれこの人ってこの直前に何があったんだっけ?というのが思い出せなくて、けっこうずっともどかしい。それが嫌だからこのところは1話ごとにあらすじをメモしながら読んでいるけど、単純に作業負荷が高いし、早く続きが読みたい気持ちのジレンマと常に戦うことになるし、そこまでしてもどうせ全部は拾いきれないからフラストレーションはたいして軽減されるわけでもない。やらないよりはマシってくらい。みんなどうやって話についていってるのだろう。これにかぎらず、なんだか最近自分の脳が急激に衰えたように感じることが多くてちょっと怖い。前からこんなだったっけなあ。

途中耐えきれずに、別の作品の二次創作を読んだり、自分の過去の日記を読み返してみたりと、気持ちを散らしながら読んでいたら、たった2章読むのに4時間以上かかった。昨日公開された19章を読んだ人々が阿鼻叫喚になっている気配をうっすらと感じ取っているが、18章でさえこんなにも心臓をぎりぎりと絞られるような痛みにどうにか耐えているのに、いったいこれ以上何が待ち受けているのだろうと怖い。

東の魔法使いのことがずっと好きだ。丁寧で繊細なやさしさ。傷ついてぼろぼろになって、それでも他者を思うことをやめない人たち。彼らに心を惹かれるたびに、今の自分は、気高く美しいこの人たちを好きでいるにふさわしい人間ではない、という卑屈な気持ちが同時にかすめていく。優しさってなんだったか。誰かを傷つけないための耳障りの良い言葉をただ機械的に選ぶことではなく、相手を想うことってどうやるんだったか。誰かを傷つけることに臆病になりすぎている。ある意味では、私が幸せだってことなんだろうなと思う。自分は誰からも見捨てられて当然だと信じていた頃って、もっと捨て身の、鋭利なコミュニケーションしかとれなかったような気がする。それで相手を傷つけて失って、自分が傷ついても、それが自分にふさわしいのだと納得していた。今は欲が出ている。手放したくない人の顔がいくつも浮かぶ。その人たちのことを大事にしていたい。でも、けっして嘘をついているつもりはないけれど、その結果として口当たりの良い言葉ばかりをぺらぺらと喋る薄い人間になっているような気がして、この心もとなさはどう埋めればいいのだろう。魂と魂で会話するような、そういう間柄を他者に求めることのほうが高望みなんだろうか。優しくありたい。東の魔法使いになりたい。

好きだった女の子と、もう再来週にはソウルだねって話をした。航空券もホテルもそれぞれとっているのに、ひさしぶりのことに緊張していて、自分たちがほんとうに再来週ソウルにいるイメージがつかない。向こうで会うならはじめから一緒に行けばよかったねと言われたけど、いくら終わった恋でも、触れられる距離に好きだった人がいるのは私には苦しいだろうなと思った。でも、一緒に外国に行っても良い相手だと思われていることが嬉しい。終わったことにしている恋というほうが正しいのかもしれない。

今日はやけに頭の中がうるさくて、ほとんど一日中言葉を吐いていた気がする。でも言葉で体がざわざわしてるのは、やっぱりなんかすこし安心する。まだちょっと滞留しているけど、わりとタイムリーに書き落とせているのもいい感じ。早く残りも吐き出してしまって身軽になりたい。