2023/7/16

だいぶ酔っていたせいで、連れが朝出勤していった記憶がない。家事を片付けないとなあ、と思いつつも昼すぎまで惰眠を貪った。起きてからも、クィアのアンセムソングになりそうなIDOLiSH7楽曲を探す遊びに熱中してしまって、けっきょく家事はろくに進まなかった。TRIGGERの"My Precious World" とか、Re:valeの "太陽のEsperanza" とか。フォロワーも乗ってきてくれて、いろいろ話が盛り上がって楽しかった。

午後はネイルに行って、悪友と渋谷で落ち合って『ウェスト・サイド・ストーリー』を観た。昨年公開のスピルバーグ版の映画は観ていたが、舞台はこれが初めて。なるほど舞台映えする作品だった。アニタ役の俳優が素晴らしかった!

映画を観た時、こう書いた*1

リフの恋人のグラツィエラや、ジェッツの男とつるむ女たちは本来アニタと対立する立場だが、男たちが暴行におよぼうとしたとき、彼女たちは必死でアニタのことをかばおうとしていた。彼女たちは無力で、あっさりと屋外に追い出されてアニタを助けることは叶わないが、それでも男たちを止めんと声をかぎりに叫びながら外からガラスを叩く彼女たちの青ざめた顔が目に焼き付いている。彼女たちのそういう表情にフォーカスしたカットが入っているところに、女性同士の連帯を描き出そうとする意図を感じた。

舞台でもこのシーンはあって、これはおそらく映画版から取り入れた演出だろう、と友人に教えてもらった。この展開を知っているからこそ、直前でマリアがアニタに言伝を頼むシーンで「どうか行かないでくれ」と願わずにはいられなくて、苦しくてずっと泣いていた。

舞台版でマリアたちが働く裁縫店はこぢんまりとした印象だったが、映画での彼女たちの職場はきらびやかな百貨店内だった。おそらく百貨店の顧客は白人であることを思うと、移民である彼女たちがそこで働くことの格差がより強調されるので、映画版のほうが好きだったかなあ。

ダンスシーンは華やかで美しかったけど、何も知らずに映画を観た時に受けた衝撃が凄まじかったせいか、今回はなんだかするっと受け止めてしまってちょっと物足りない。

悪友に、いよいよきみも同棲かあ、どうなるのかねえとにやにやされた。そういう悪友はすでにパートナーと同居して長い。きみはどうなったのだと問うたら「生活を共有する感覚が強くなる、商店街の割引券をもらった嬉しさとか」という、わかるようなわからないような答えが返ってきた。そのうちわかるようになるんだろうか。

その後は連れの家を片付けに行く。この街に来る口実がひとつ減ってしまうことはかなり悲しい、と夜の空気を吸い込みながら思った。