2023/9/4

朝起きて書斎に足を踏み入れた瞬間、その荒れっぷりにうんざりした。机の上には本やら書類やらチケットやらブロマイド写真が散乱しているし、本棚の前には本の山が積み上がっている。本は連れが引っ越しで持ってきたもので、来週には新しい本棚が届くので片付く目途はあるものの、なんとなく圧迫感があって、気持ちが乱されることに変わりはない。ある程度の不潔さには耐えられるが、整頓されていないことにはけっこう我慢ならないたちであるということには、一人で暮らすようになってから気がついた。舞台の期間中で休日まるまる家を空けてしまうと、一週間の生活で徐々に荒れた空間を立て直す間がないまま月曜日を迎えることになるので、とてもじゃないけど、新しい週だからがんばろうと思えない。それを見越して土曜日はチケットをとっていなかったのに、結局午後からは予定を入れたので家のことは何も終わらなくて、これだったら観に行くほうがよかった。

そういうわけで朝から不機嫌で、せっかく仕事は今日から新しい立場なのに、あんまりわくわくできなかった。まるで経験のない領域なので手応えもあまり感じず、満足感のある一日ではなかったけど、18時過ぎに切り上げてネイルに。散々悩んだものの、カーキグリーンのワンカラーで何箇所かにシルバーのパーツを載せてもらった。十字架と月と羽。十字架は言わずもがな、モリミュに通底する罪と聖性の象徴だし、羽はアルバートのとあるシーンの演出にからめたもの。ここ何回か、華やかなデザインも試してきたけど、ワンカラーのほうが自分のたましいの在り方としては落ち着くような気がする。ほのかに秋めいた色合いが今の気候に合っていて気に入った。

早上がりの連れと近所の海鮮系の飲み屋に行こうと話していたが、あいにくお休みだった。仕方がないので、テイクアウトの寿司を買って、家で晩酌をした。ここの寿司はおいしい。最近全然料理をしていない気がして、気が荒んでいるのにはそれもあるだろう。生理痛は酒を飲んだらだいぶマシになった。薬が効くまでの時間を紛らわすにはちょうどいい。

食後は連れの気分でマーティン・マクドナー監督作品の『ヒットマンズ・レクイエム』を観ていたけど、私が途中で寝落ち。同監督の『イニシェリン島の精霊』は今年上半期で一番好きだった作品だったので、眠くないときにリベンジしたい。

23時すぎに起こしてもらってシャワーを浴びたら、すっかり目が覚めてしまって『シャーロック・ホームズの思い出』を読み切ってしまった。ホームズとワトソンの関係が円熟してきて、ホームズにどんどんかわいさが増しているのが愛おしくてかなわない。これまでの4作ではこれが一番好き。連れは隣でVTuberのラジオ?を聴いていた。お題に対して視聴者が応募する大喜利で、断片的に耳に入ってくるエピソードがあまりにおもしろいものだから、たびたび読書を中断してそっちを一緒に聴いたりしていた。涙が出るほど笑ったし、電気を消してからもふたりで思い出し笑いをしてばかりで、しばらく眠れなかった。