今日も仕事の手応えがない。雲を掴むような毎日に退屈している。午後7時前に仕事を切り上げ、連れと落ち合って映画館の近くの居酒屋に行く。泡銭を稼いだらしい連れがおごってくれた。それから楽しみにしていた『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』を観た。
うーーーーーーーーん。おもしろくなかったわけじゃないし、言わんとするところに共感はするのだが、なんだか惜しいな、というのが感想。だいぶいろいろ削ったんじゃないかなあ、とは連れの感想だが、そのせいなのか、全体的に性急さを感じた。掘り下げがいろいろ甘いというか、たぶんもっと重く作れたはずのものが、かえって軽い口当たりになりすぎてしまったというか。私は重くてずーんと来る、魂に傷をつけにくる物語が好きだから。アクションシーンもかっこよかったけど、物語のテーマからするとそこを魅せるよりできたことがあったんじゃないかなあと思ってしまった。家父長制を文字通りすりつぶしているのは痛快で良かったけど。「思想が漏れ出ておるぞ」というパパの台詞はすごく好きだった。思想をだだ漏れにして生きていきたいものだ。
