11月2日(月)飢え

7時40分に起きる。このところ9時ぎりぎりまで寝る生活が続いていたので、上出来だ。体を起こしてすぐ、10分瞑想してみた。これだけでも見違えるほど思考の靄が晴れる。毒だと知りつつ自分を痛めつけることこそ正しいと信じることをやめられないから、こういうふうに楽になる手法をとるというのにずっと抵抗があったけれど、少しずつ割り切れるようになってきた。ごみを捨て、朝食をとりながら昨日借りた本の続きを30分ほど読んだ。そのあと洗濯物を畳んだ。

9時から仕事。昨夜、会社のメールボックスを確認したときには返信が憂鬱だなと思うメッセージがいくつかあったけれど、一息に片付けてしまったら、案外すぐに終わった。午前中は私にしては集中できた方だ。

普段はきちんとした休憩もとらずに漫然と仕事を続けてしまうのだが、今日は時間のめりはりをちゃんとつけようと思って、正午に一旦会社のパソコンを閉じた。昼食をとりながら『血界戦線』の続きを見る。バターをたっぷり塗った食パンと、インスタントのミネストローネ。それと紅茶。

ここまでは良かったのだけど、午前中に集中力を使い切ったのか、午後はいまひとつぱっとしなかった。18時を過ぎる頃にはすっかり糸が切れて『鬼滅の刃』の原作を読み始めてしまい、そのまま21時までかけて既刊の分は読破してしまった。

22時頃、牛乳とヨーグルトを切らしていたことを思い出して買い物に出る。雨の匂いが濃い、秋の夜。ついでにシチューのルーを買った。ツイッターで美味しそうなシチューを作っていた人を見かけて食べたくなったのだ。とはいえ今晩はすでに鶏肉を塩麹に漬けてしまっていたので、明日以降の楽しみにとっておく。

ひさしぶりに料理をした。もっとも、米を炊いて、鶏肉を焼いて、味噌汁を作っただけ。それでも、自分の作る味噌汁はおいしい。このところ外食か惣菜で食いつないでいたので、こんなにも食事で満たされたのはしばらくぶりだ。

それから『血界戦線』の最後の2話を観た。いたく信頼する人が大事にしている作品だから、はじめの頃はちょっと緊張しながら観ていたのだけど、すこしずつ、自分の中に作品が落ちてきたような感覚がある。他者の大事な作品から、私の大事な作品になってゆく感じ。派手な戦闘シーンが多いわりに、不思議なカタルシスのある作品だ。胸骨の中央あたりに、ふんわりと光が灯るようなあたたかさが残る。

今日終わらせたかった仕事はけっきょく諦めて、明日に回すことにした。日付が変わってから『ユーリ!!! on ICE』を2話、『呪術廻戦』を2話見る。形容するならこの感覚は飢えだ。書きたいと思うのと同じくらいの強さで、知りたいと思う。私の知らない物語をもっと知りたい。