2024/1/14

昼:インスタントのわかめスープに春雨と米を入れたスープごはん
夜:親子丼、南瓜の葱油炒め、大根の梅おかかにんにく和え、豆腐と油揚げの味噌汁

 午前6時、連れが家を出る気配で目が覚めた。喉の痛みはすっかり消えている。思いのほかすんなり意識が冴えたので、そのまま布団の中で斎藤幸平『ゼロからの「資本論」』を読んでいた。読み切ったところで眠気が来て二度寝して、次に起きたのは正午。昨日やり残した洗濯と洗い物だけして、ソシャゲをちょっとやって、連れに「あなたは刺さると思う」と勧められた映画『トレインスポッティング』を観た。
 どうしようもなかった。ちょうど先日観たヴィム・ヴェンダース監督の『パーフェクト・デイズ』と同じく、挿入歌でルー・リードの "Perfect Day" が使われているが、同じ歌でこうも対照的な使われ方をしているのがおもしろいなと思った。刺さった、かな、どうだろう。でも、たしかに好きな空気感の映画だ。ドラッグの話なのに、悲壮感が漂いすぎていないのがいいなと思った。どういう生き方をしたところで、倦怠ってやつはつきまとってくるんだなあと思った。それこそ『パーフェクト・デイズ』に対極にある世界で、役所広司演じるヒラヤマを羨みつつ、どこかケッという気持ちもおぼえていたもうひとりの自分を慰めてくれるような作品だったような気がする。まあ私はどっちにもなれないんですけどね。アントンが「ダチだから」で悪友たちの横暴な振る舞いを咎めようとしないのが全然わからなくて、でもそれがちょっと羨ましいような気もした。私だったらぜったいに縁を切る。これの続きってどうなっちゃうんだよという気はするけど、続編も忘れないうちに観たい。
 そのあとはブラッドベリの短編集を読み進めていた。読むのはこれが4冊目だが、ほんとうに好きな作家だ、としみじみ思う。まほやくを荒波にたとえるなら、ブラッドベリの起こす波は穏やかだ。やわらかく、ずっと浸かっていたい。時折そこに潮に運ばれて迷い込んだ冷たい流れが訪れて、ひやりと私を驚かせる。そういう本。穏やかな波をつぶさに説明することが難しいように、ブラッドベリの文章は口に粉砂糖をのせたときみたいに、ふわっと消えて、あとに残らない。ただ心地よさだけが記憶される。
 読み終わってしまうのがもったいなくて、あと2篇を残したところで栞を挟んで、日記を書いていた。けっきょく週次更新になってしまっている。
 スーパーの閉店時間ぎりぎりに駆け込んで買い物をすませた。そこから夕飯の支度まで1時間ほどゆっくりする目論見だったのだが、体調のすぐれない連れからいつもより早く上がったと連絡が来たので、慌てて料理を始めた。
 親子丼と大根の梅おかかにんにく和えは昨日の残りもの。豆腐と油揚げの味噌汁と南瓜の葱油炒めのほかにもう一品作るつもりだったけど、病人にそこまで食べさせなくてもいい気がしてやめた。味噌汁はちょっと味が濃かった。
 連れだけ先に寝かせてしばらく起きていようかと思ったが、どうせ布団に入るときに起こすのがしのびなかったのと、翌日仕事があることを考えると夜更かしをするのも気が進まず、11時には布団に入った。