記録:2024-Feb

フィツジェラルド短編集

フィッツジェラルドの書く世界って全然共感も想像もできなくておもしろい。おもに奴隷制へのスタンスの違いから南北戦争が起きたこととか、知識としては知っていても、私の中でアメリカってアメリカだったけど、南部と北部の空気感の違いを初めてちゃんと意識したような気がする。

苫野一徳『はじめての哲学的思考』

だいぶ前のちくまプリマー新書の電子書籍セールのときに購入して、数年積読していた本。かなり平易な言葉で噛み砕いてあり、哲学を高尚なものにせず、市井に落とそうという試みがよく見える、いい本だなあと思った。「本質観取」の例題として挙げられていた「恋」が、誰もが経験しうるものとして説明されているのは気に食わなかった(Aro/Aceを不可視化するな)けど、「哲学とは他者と共通了解を見出すための営みである」という考え方はすごく好きだった。

哲学のすごさは、こうやって問題の”本質”を明らかにすることで、その問題を克服するための考え方を切り開く点にある。

これはヘーゲルを例に説明した一文で、マルクスのことを少しずつ知りつつある今、私はすでにそれだけでは不十分であることを知ってしまっているけれど、でも、これは人間社会を良くするための鍵であることに違いはないと思う。そもそもその対話が成立する土壌がないことには意味がないのだけど……。

小川洋子『夜明けの縁をさ迷う人々』

小川洋子って好きそうなのに絶妙に好きじゃないというか、あと一歩刺さらないなあと読むたびに思っている気がする。

ウラジーミル・ナボコフ『ロリータ』

2024/2/22 - 地上のまなざし たしかにすごい小説だった。でもこれが名著ともてはやされる世界のことはやっぱりゆるしたくない。

 

漫画

ダンジョン飯1-2巻

連れの蔵書。連れの好きな漫画はどれも食事が美味しそう。

 

映画

恋する惑星

初めてのウォン・カーウァイ。変な話だった。眠りが浅いときに見る夢みたいな脈絡のなさ。

チャーリーとチョコレート工場

なんでか突然観ようってなった。

ゴールデンカムイ

2024/2/12 - 地上のまなざし

劇場版ハイキュー!! ゴミ捨て場の決戦

最高最高最高。

ヴァチカンのエクソシスト

びくびくしながら観ていたけど、終わってみると怖かった……のか?という気持ちになる。絶対あんな城で暮らしたくないだろ。カトリック教会への忖度がちらつくのがちょっとなあって気持ちになる映画だった。異端審問の暗い過去を悪魔に責任転嫁するのめちゃくちゃだろ、反省しろよ。

ハリー・ポッターと賢者の石

JKRのトランス差別発言がずっとゆるせずにいるけど、どうしても観たい気持ちに勝てなくて観てしまった。でもやっぱり本が読みたいな……。

 

ドラマ・アニメ

葬送のフリーレン

あいかわらずちまちまと観ている。1クールのOPとEDがほんとにほんとに大好きだったから、2クールに入ってちょっとモチベが低迷気味かも。

Hypnosysmic Rhyme Anima 2

1のほうがいろいろとっちらかってて(褒めてる)好きだったような気がするなあ。曲も。

ハズビン・ホテル

まだ2月だけど2024ベストアニメじゃないですか?????何もかもが最高。天国と地獄、男と女、年長者と年少者、現実に存在するありとあらゆる価値・権力の勾配を転倒させてやろうという意志を感じる作品。性的でグロテスクで暴力的、とことん下品なのにこれができるバランス感覚ってただただ……すごいなあと唸ってしまう。苦手な人はいるだろうけども。なんていうか、こういうマイノリティの存在が当たり前に描かれた作品ってどこかきれいでいることを求められる空気がある気がしていて(『his』とか『Call me by your name』とか『燃ゆる女の肖像』とか)それが必ずしも悪いわけではないとはいえそこにはやっぱりマジョリティへの配慮とか窺いの視線があると思うんだけど、そこに中指突き立てている感じも好きだった。そう、マジョリティに対する配慮がいっさいない。

インターネットで見かけてなるほどと思ったのは、恋愛至上主義的な世界において恋愛・性愛を経験しないAceのキャラクターはしばしば「心がない」みたいな扱われ方をすることがあるけれど、地獄にいるキャラクターはみんな等しく悪だから、アラスターだけが悪じゃないのが良い、という感想だった。レズビアンで悪、ゲイで悪、ヘテロで悪、そういう世界においてはAce「だから」悪、ではなく、Ace「で」悪にしかならない、と。

TRICK 1~8話

連れが夜勤前に観ていたのを横で観ていたら、そのままやめられなくなってしまい、連れが出勤したあとも一人でけっきょく8話ぶっ通しで観てしまった。別に観たかったわけでもないのに……。貧乳をネタにする感覚って、大学生くらいまでは自分にもあったけど、今観るとふつうにドン引きするなあ。

 

舞台・コンサート・ライブ

鈴木勝吾さん バーイベ

2024/2/4 - 地上のまなざし 最高だった。素敵な俳優だ~。 

 

なんか仕事が忙しかったな……。飛ぶように過ぎていった。でもわりと良い感じに本が読めてる(量というより、質の面で)ので、この感覚で楽しみたい。