散文

休日

言葉をつかうのも習慣づけていないと、どんどんうまく使えなくなる。書きたい気持ちはあるのに、すとんと収まる言葉がうまいこと引っ張り出せなくて、輪郭の曖昧な感情の塊が体の中でぐるぐるしていて気持ちが悪い。怪物を体の中に飼っているみたいだ。ちゃ…

生命活動記録総集編2018

2018年があと4時間で終わる。数年ぶりに紅白をいちばん最初から見ているけど、知らないアーティストばかりで、いかに自分が日本の音楽シーンから遠ざかっていたかを感じてすこし面白い。今年の夏、みんながこぞって平成最後ってハッシュタグをつかっているの…

正当な痛み

10年ぶりに自傷行為をした。この10年間も、波はあったけど衝動がゼロになったことはなくて、ただ時間が痛みを忘れさせていくうちに怖さの方が勝って、せいぜいカッターを持つところまでだった。やってみたら案外痛くなかった。全然。なんだ、そんなもんか、…

ぎりぎり、だめな方

ぎりぎりのところにいる。ぎりぎり、だめな方。暇だった一年目がうそのように、仕事が、それはもうめちゃくちゃにしんどい。ニュースで残業が80時間とかって耳にしていて、一体どんな地獄なんだろうと思っていたけど、毎日4時間くらいの残業なんて簡単に超え…

したたか

昨日、たまたまテレビをつけたら、売れっ子脚本家の密着番組をやっていた。仕事は終わっていなかったのに、つい見てしまった。他人の創作過程を垣間見る機会はそうないから、こういうのはつい興味をひかれてしまう。だけど見るほどに悔しさの方が募った。ど…

おめでとう

高校時代の親友の誕生日だ。めっきり連絡をとらなくなってしまった今でも、こういうのは忘れないらしい。もう、彼が親友という言葉を聞いて思い浮かべる相手は私じゃないんだろう。あの時は変わらないと信じていたものは、こんなにも簡単に別れてしまう。誕…

恋の翼を失ったので

恋とよぶにはいささか未熟な感情を、この数ヶ月ずっとひそかに抱いている。でも、その人との関係性に発展を望んでいるわけではない。望まない、といったら嘘になってしまうけれど、多くを望まずに今の関係を続けることの方が幸せなんだろうと思っている。他…

未来をひきうける

また立ち上がれなくなった。さっきスーパーで買ってきた挽肉、まだ冷蔵庫に入れていないのに。でも、いつもみたいに気分が落ち込んでいることから来る無力感じゃない。ただ、自分の中に起きた変化の大きさに、呆然と立ち竦んでいる。 これまでにも何度もこの…

閃光となれ

雨の日は好きだ。台風の日はいっとう好きだ。電車が運休になるかもしれないからと定時退社を促され、普段よりも早い時間に帰途につきながら、今日こそは文章を書こうと思った。日毎思うように言葉を紡げなくなっていく恐怖は、書くことでしか癒えないのを私…

鏡よ、鏡

過去の自分の文に憧れてばかりいる。もうこういう言葉は紡げないかもしれない。そんな焦燥感に襲われて、また1日が過ぎていく。すごく嫌だ。『アルジャーノンに花束を』の主人公チャーリイは、自分が衰えていくことを自覚していただろうか。自覚していたのな…

非実用的な生活を愛したい

働きはじめて7ヶ月が過ぎた。自分が成長していると思えない。飲み込みが早い、と上司たちは口をそろえて褒めてくれる。彼らが一体私の何を評価してくれているのか、私だけがわかっていない。私の話なのに。仕事が楽しくない。定時上がりとはいかないにしても…

日和見主義な卑怯者のブーメラントーク

久しぶりに前ブログからの移行。一昨年の11月、アメリカ大統領戦の頃に書いた文。 ◆◇◆ アメリカ大統領選。私の周りの大多数がそうだったように、私もまた、予想外の結果に落胆した側の一人だ。予想外、というのが正しいのか、今となってはわからない。「なん…

君の生まれた春に祝福を

昨年の大晦日にジノが出演していたミュージカル『オール・シュック・アップ』を観に行った時のことは少し前の記事で書いたが、実はあのあと、さらに2回観に行った。日帰りという強行スケジュールでの渡韓は我ながらどうかしていると思ったが、後悔しないこ…

書けない

書こうと思っていることはたくさんあるのに。書けない。何も出てこない。私を書くことに駆り立てていた、あの突き動かすような衝動は、一体どこに消えてしまったのだろうと思う。 書きたい、よりも、書かなくては、の方が強い。とてもよろしくない。書かなく…

愛に正しさなどあるものか

感情的になっている自覚はある。今、会社の昼休みだ。やらなくちゃいけないこともある。でも、どうしても書かずにはいられなかった。 見ず知らずの、とあるセブチファンの方の言葉がツイッターでたまたま流れてきた。セブチが大人になっていくことを寂しがる…

もういちど夢を見よう

よく、この時期にコンサートをやってくれたと思う。2月5日にカムバック、そこからコンサートまではわずか2週間ちょっと。音楽番組に日々出演する傍でこのコンサートの準備をしていたのかと思うと、想像を絶するようなスケジュールだ。 SEVENTEENというグルー…

1ダースの若さに捧ぐ

昼食後に椅子に座り通しでパソコンと睨めっこをしていれば眠くなるのが筋というもので、眠気覚ましにふらりとデスクを離れ、エレベータで30階分を落っこちてコンビニまで小さな逃避行をした。そのコンビニのフィナンシェが私のお気に入りで、今日もおやつに…

ありがとう、なんてまだ言わせない

もうだめかもしれないと思っていた、矢先のことだった。好きになって、ちょうど1年。もう一度、魅せられてしまった。SEVENTEENの新曲について。 [MV] SEVENTEEN(세븐틴) _ THANKS(고맙다) もともと飽きっぽい性格なのは自覚している。何かを長く続けること…

血をもって書け

首の後ろかどこかに、スイッチがあればいいと思う。そうしたら私は毎日、午前8時半、会社のビルのエレベータに乗るたびにそのスイッチをぱちりと点けるのに。それからデスクに座ってノートパソコンを開き、メールを確認する。会議に出て、上司と当たり障りの…

会いに行く

むかしは、一駅隣はもう見知らぬ街だった。電車を寝過ごしていつもと違う駅のホームに降り立つだけで、なんだか冒険をしているようなそわそわがあった。それがいつしか大人に近づき、行動の範囲が広くなって、知らない街は減った。未知の世界にときめくチャ…

愛に言葉は不要というけど

彼の声に落ちたのがもうひと月以上前になろうか、それから少しずつ彼の人となりについて知っていることは増えつつある。知れば知るほどに好きになっていくし、きっとこれからもっと好きになるのだろう。だけど、今後どれだけ彼のことを知ろうと、歌っている…

牢獄の外

ぐっと重力が私の体を座席に縛り付けて、みしみしと機体が悲鳴をあげたのはたった一瞬のことで、あっという間に私達は自由になって、地面が見る間に遠くなっていった。私の、初めての一人旅が終わろうとしている。香港から成田へと向かう飛行機の中で、これ…

愛していると叫べ

前ブログからの移行シリーズ。今年の2月頃に書いた文章をベースに、少し加筆修正。 *** 大学院を休学してから、丸1年とちょっとが経った。入社式を来週に控えて、久しぶりに美容院に行ったら、6年半お世話になっている美容師さんに「もうゆっくり遊べる時…

朝食綺譚

ミルクティーが好きだ。紅茶に牛乳を注ぐ瞬間が好きだ。深い紅色の透き通った液体の中に白い雲がもくもくと湧いて、あっという間に優しげな薄茶色になる。 たっぷりとバターを塗った食パンが好きだ。トースターで3分、焼けた表面にバターナイフを滑らせる瞬…

とどめを刺すなら今、この場で

ちょうど一年前、初めてブログに投稿した文だ。もともと違うサービスを利用していたのだけど、こちらに統一するにあたって、当時の文章も少しずつ移していくつもり。この頃の私はまだ両親を大好きだという。少しずつ変わっている。変わってしまったものを、…

時間も霞む雨の日は

昨夜は台風だった。ばらばらと雨粒が窓ガラスに叩きつけられていた。この文を綴り始めてまもなく中途半端に暗くなった空は、厚い雲のせいか、それともその後ろで身を潜める太陽の役目の終わりだったからか。夏だ。乾いた部屋の中で雨音を聴いているのが好き…

欠陥製品

付き合っていた人にフラれてからそろそろ2か月くらい経つんだけど、あんなに調子よかったメンタルがどんどん下降してきている。別にその人のせいだけではないけれど、きっかけだったのは間違いない。大学院に通えなくなってから10ヵ月、やっと普通の生活がで…

ここじゃ消費者が王様なんだよ

昨日、夜中のテンションで書きなぐっていたら、久しぶりにブログを書こうと思ったそもそものきっかけをすっかり忘れてそのまま寝てしまった。 ZICOの新曲がやべえという話です。 何ってとにかく歌詞がもう、とんでもなくかっこいい。痺れる。 私ヒップホップ…

叫ぶ

このブログはもともと、アイドルのことしか綴らないつもりで作った。内輪の人にしか見せないプライベートなことを綴るブログは別にあって、そっちはそっちでたまに更新したりしていた。でも、なんだか馬鹿らしくなってしまった。そうして細分化して、場所に…